墓じまいの石材店|指定の有無の確かめ方と選び方・頼む順番

墓地で石材店の説明を聞く親子

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墓じまいの石材店は、自由に選べるとは限りません。最初に、今の墓地の使用規則と管理事務所で「指定石材店があるか」を確かめます。指定があればその店と内訳を詰め、指定がなければ2〜3社に同じ条件で見積もりを頼みます。契約は書面で行い、工事日は改葬許可の見通しが立ってから決めます。

この記事で分かること(法令・国の通知・自治体の公式資料をもとに整理):

  • 墓じまいで石材店が引き受ける仕事と、ほかの人が担う手続きの分担
  • 指定石材店の仕組みと、国の指針が示している考え方
  • 指定があるかを確かめる方法と、指定があった場合の進め方
  • 指定がない場合の探し方の比較と、石材店を選ぶときの確認点
  • 契約で書面にしておくこと、クーリング・オフの考え方
  • 改葬許可と工事日の順番、年度末に返す場合の逆算の例

墓じまい全体の手順は墓じまいの流れ|6ステップと必要書類に、撤去工事の費用の内訳は墓石撤去の費用|金額が決まる5つの要因にまとめています。この記事は「どの石材店に、どう頼むか」に絞って解説します。

管理事務所で墓地の使用規則を確かめる女性
目次

1. 墓じまいの石材店選びは「指定の有無」から|最初に押さえる3つの手順

石材店を探し始める前に、今の墓地のルールを確かめます。墓地によっては、工事できる石材店が決まっているからです。先に何社も見積もりを取っても、指定があれば使えません。

手順は次の3つです。順番を入れ替えると、やり直しが起きやすくなります。

順番やること相手この段階で決めること
1使用規則・契約書を読み、指定石材店の有無と返し方を聞く今の墓地の管理者(管理事務所・寺院)指定の有無、返還時の状態、工事の届出
2指定があればその店に、なければ2〜3社に現地を見てもらう石材店作業の範囲、内訳、追加費用の条件
3改葬許可の見通しを立ててから契約し、工事日を決める依頼する石材店・役所契約書面、支払時期、工事日

この順番で進めると、見積もりの取り直しや、工事日の組み直しを減らせます。以下では、それぞれの手順で確かめることを順に説明します。

石材店は「最後の作業者」ではなく、早めに相談する相手

石材店に連絡するのは、改葬許可が下りてからと考える人もいます。ただ、現地を見てもらわないと、工事の量も費用も分かりません。親族に費用を相談するにも、見積書があると話が進みます。

そのため、管理者に指定の有無を確かめたら、早めに石材店へ相談します。契約と工事日の確定だけを、後に回すのが進めやすい形です。

2. 墓じまいで石材店が引き受ける仕事・引き受けない仕事

墓じまいは、親族・寺院・役所・墓地の管理者・改葬先と相手を替えながら進みます。石材店の仕事は、そのうち現地の工事が中心です。誰が何を担うかを先に整理すると、頼み漏れを防げます。

作業・手続き主に担う人石材店との関係
納骨室を開け、遺骨を取り出す石材店工事の一部。立ち会いの範囲を決める
墓石・外柵・基礎の撤去と整地石材店見積書の中心。返還時の状態に合わせる
撤去した石の運搬・処分石材店(または委託先)処分先と方法を書面で確認する
閉眼供養(魂抜き)寺院・僧侶工事日と同じ日に合わせることが多い
埋蔵の事実の証明今の墓地の管理者改葬許可の申請に添付する書類
改葬許可の申請墓地使用者などの申請者石材店の仕事ではない(下で説明)
区画の返還の届出墓地使用者工事完了後に出す墓地が多い

改葬許可の申請書は「誰が作るか」を確認する

改葬許可の申請は、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条で定められています。申請書には、死亡者の本籍・氏名、埋葬の場所と年月日、改葬の場所などを書きます。墓地の管理者が作る埋蔵の事実の証明も添付します。

市区町村に出す書類を、報酬を得て代わりに作ることは、行政書士の業務とされています(行政書士法第1条の3)。行政書士でない人は、他人の依頼を受けて報酬を得て、この業務を業として行えません(同法第19条)。

2026年1月1日施行の改正で、第19条に「いかなる名目によるかを問わず」の文言が加わりました。総務省は、違反した場合の罰則として1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を示しています。「手続き代行込み」の見積もりを受けたら、申請書を誰が作るのかを聞いておくと安心です。

家族が自分で申請書を書き、石材店から書き方の一般的な助言を受けることまで問題になるわけではありません。代行を頼みたいときは、行政書士に依頼する方法があります。改葬の書類を扱うかどうかは、事務所ごとに確かめてください。

3. 指定石材店とは|墓地の種類で決まり方が変わる

指定石材店とは、その墓地で墓石の工事を行える石材店を、墓地側が決めている仕組みです。「指定店」「指定工事店」「提携石材店」など、呼び方は墓地ごとに異なります。

国の指針は「選択の余地を全く奪う契約は適切でない」

厚生省(当時)は2000年12月6日の通知「墓地経営・管理の指針等について」で、墓地使用の標準契約約款を示しました。その解説の中で、墓石業者の指定について次のように述べています。

墓石業者を指定して、当該業者以外の者による墓石の工事を禁止している事例があるが、選択の余地を全く奪ってしまう契約は適切でないと考えられる(やむを得ずある程度墓石業者を絞らざるを得ないとしても、それによりどのような付随的サービスや利点があるのかを含めて、情報を開示しておく必要があろう)。

この通知は、墓地の指導監督にあたる自治体への技術的助言です。個々の墓地の契約をそのまま無効にするものではありません。ただ、指定があるなら、その理由や利点を説明してもらうよう求める根拠にはなります。

同じ指針は、契約書や重要事項を書面にし、利用者に十分説明することも求めています。指定の有無も、本来は契約時の書面で確かめられるはずの事項です。

墓地の種類ごとの傾向

墓地の種類指定の傾向ルールが書かれている場所
公営霊園(市区町村・都県)指定がない例が多い。工事の届出や承認が要ることが多い条例・規則・利用案内
民営霊園(公益法人・宗教法人が経営)指定や提携の石材店がある例が多い使用規則・契約書
寺院の境内墓地出入りの石材店が決まっていることがある寺院の規約・慣行(書面がない場合もある)
集落の共同墓地・個人墓地指定がないことが多い管理者・自治会の取り決め

国民生活センターも、公営墓地以外では提携石材店を指定されるのが一般的だと説明しています。この説明は墓じまいの流れの費用の章で紹介しています。表の傾向は目安で、最終的には個々の墓地の規則で決まります。

公営霊園の例|相模原市の柴胡が原霊園

相模原市の市営柴胡が原霊園の利用案内には、「当霊園の『指定工事店』はありません」と書かれています。あわせて、市や管理事務所は工事店の選び方の相談には応じられないとしています。

指定がない代わりに、工事の手続きは決められています。工事着手日の7日前までに「墳墓等設置工事承認申請書」を出し、承認を受けます。墓所を返すときも、撤去後に「墳墓等設置工事完了届」を出す流れです。お盆とお彼岸の期間中は工事ができません。

このように、公営霊園では「石材店は自由、ただし届出と工事期間に決まりがある」形がよく見られます。石材店がその霊園の手続きに慣れているかも、選ぶときの判断材料になります。

石材店が墓所の区画を採寸する様子

4. 指定があるかを確かめる方法と、指定があった場合の進め方

指定の有無は、手元の書類と管理者への問い合わせで確かめます。口頭の返事だけで済ませず、規則の該当箇所を見せてもらうと行き違いを防げます。

手元で探す書類

  • 墓地の使用許可証・使用契約書(契約時に渡されたもの)
  • 使用規則・管理規則・利用のしおり
  • 管理料の請求書に同封された案内(規則の改定が載っていることがある)
  • 過去に墓石を建てたときの石材店の領収書や保証書

親が契約した墓地では、書類が見つからないこともあります。その場合は、管理事務所や寺院に写しをもらえるか尋ねます。

管理者に聞くことのチェック表

聞くこと答えを残す理由
工事できる石材店の指定はあるか。あれば何社か相見積もりができるかが決まる
返還するときの状態(更地・基礎まで撤去など)見積もりの範囲がここで決まる
工事の届出・承認の書類と提出期限工事日の逆算に使う
工事ができない期間(お盆・お彼岸・年末年始など)工事日の候補を絞れる
返還届の時期と、管理料の扱い年度をまたぐと管理料がかかる墓地がある
埋蔵の事実の証明の出し方と手数料改葬許可の申請に使う

指定があった場合の進め方

指定がある墓地では、指定外の石材店に工事を頼むことは難しいのが実情です。使用規則に同意して契約している以上、まずはそのルールに沿って進めます。

そのうえで、指定の石材店にも内訳の書面を求められます。撤去・運搬・処分・整地を分けて書いてもらい、追加費用が出る条件も書面にしてもらいます。指定店が複数あれば、その範囲で比べられます。

金額に納得できないときは、他社の見積もりを参考として示し、項目の違いを質問する方法があります。それでも話がまとまらない場合は、消費生活センターに相談できます。強い言い方で交渉する前に、規則と見積書の写しをそろえておきましょう。

5. 指定がない場合の探し方|4つの方法の比較

指定がない墓地では、石材店を自分で選びます。探し方は大きく4つあります。どれが優れているかではなく、状況に合うものを選びます。

探し方向いている場面確かめること
墓地の近くの石材店に直接頼むその墓地での工事経験がある店を探したい墓じまいの対応実績、霊園の手続きへの慣れ
改葬先の霊園・石材店に紹介してもらう新しいお墓を建てる予定がある撤去と建立を同じ店に頼む場合の内訳の分け方
一括見積もり・紹介サービスを使う遠方に住んでいて地元の店を知らない紹介される店の所在地、見積もりが無料か、連絡方法
寺院や親族に紹介してもらう寺院墓地で、出入りの店がある指定なのか紹介なのか(断れるか)

遠方に住んでいる場合の考え方

親の実家の近くにお墓があり、自分は遠方に住んでいる人は少なくありません。この場合、何度も現地に通うのは負担です。現地確認を石材店に任せ、写真や図面で報告してもらえるかを聞いておきます。

当サイトの市区別のページでは、公式サイトで所在地と業務内容を確かめた地元の石材事業者の例を載せています。掲載は優劣の評価ではありません。対応範囲と墓地の施工条件は、各事業者に直接確かめてください。

新しいお墓を建てる場合は「撤去」と「建立」を分けて見る

改葬先に新しい墓石を建てる場合、同じ石材店に撤去も頼むと連絡の手間は減ります。一方で、見積書の項目が混ざると比べにくくなります。撤去工事の費用は、建立の費用と別の欄に書いてもらいましょう。

6. 石材店を選ぶときの7つの確認点

石材店を選ぶときは、総額の安さだけで決めないことが大切です。次の7点を聞くと、店ごとの違いが見えてきます。

確認点聞き方の例見るポイント
① 現地を見るか見積もりの前に現地を見てもらえますか写真だけの見積もりは、後で増額されやすい
② 内訳を出すか撤去・運搬・処分・重機・整地を分けて書けますか「一式」だけの見積書は比べにくい
③ 追加費用の条件どんな場合に、いくら増えますか条件と単価が書面に残るか
④ 自社施工か工事は自社で行いますか。下請けに出しますか下請けの場合、責任の所在を確認
⑤ 処分先撤去した石はどこで、どう処分しますか処分先と方法を答えられるか
⑥ 損害への備え隣の墓所を傷つけた場合はどうなりますか保険や対応の方針があるか
⑦ 霊園の手続き届出や承認の書類は誰が出しますかその墓地の手続きを知っているか

下請けと処分先を書かせる自治体もある

神戸市は2016年6月1日に「神戸市立墓園における工事等施工要領」を定めています。工事の施工届書には、下請け業者と、残土・廃石の処分先の記入を求めています。墓所を返す場合は、地下の構造物まで撤去したことが分かる写真の添付も求めています。

これは神戸市の例ですが、ほかの墓地で工事を頼むときにも参考になる項目です。施工する会社と処分先を書面で示せる石材店かどうかは、比べるときの手がかりになります。

許可や資格はどう見るか

建設業法施行令第1条の2は、1件の請負代金が500万円に満たない工事を「軽微な建設工事」としています。軽微な工事だけを請け負う場合は、建設業の許可がなくても営業できます。墓石の撤去は多くがこの範囲に収まるため、許可がないこと自体は違法とは限りません。

民間の資格には、一般社団法人日本石材産業協会が運営する「お墓ディレクター」(1級・2級)があります。業界団体への加盟や資格は、知識や姿勢を測る材料の一つです。ただし、資格の有無だけで工事の質が決まるわけではありません。

自宅で3通の見積書を見比べる夫婦

7. 見積もりを比べる|同じ条件で2〜3社に頼む

指定がない墓地では、2〜3社に見積もりを頼むと比べやすくなります。大切なのは、全社に同じ条件を伝えることです。条件がそろっていないと、金額の差が工事の範囲の差なのか分かりません。

全社に同じ資料を渡す

渡す情報どこで確かめるか
墓地の名称・所在地・区画番号使用許可証
区画の面積と、墓石・外柵の構成使用許可証・現地の写真
重機やクレーン車が入れるか、搬出の通路現地・管理事務所
返還時の状態(更地・基礎まで撤去など)使用規則・管理事務所
取り出す遺骨の数墓誌・墓地の記録
工事の希望時期と、できない期間管理事務所
遺骨の運搬や粉骨を頼むかどうか改葬先の受け入れ条件

見積書の項目の見方と、抜けやすい項目は墓石撤去の費用の記事で詳しく解説しています。ここでは、店を選ぶ段階で見るポイントに絞ります。

金額以外に比べること

  • 質問への答えが具体的か。曖昧な答えのまま契約を急がせないか
  • 見積書の有効期限と、工事日までに金額が変わる条件
  • 支払いの時期(着手前・完了後・分割)と方法
  • 工事後に、完了の写真や報告をもらえるか

見積もりは、断っても問題のない依頼です。比べた結果、頼まない店には早めにその旨を伝えましょう。

地元の石材店を知らない場合は、墓じまいに対応する石材店をまとめて探せるサービスを使う方法もあります。依頼する前に、今の墓地に指定石材店がないかを確かめておきましょう。

PR|墓じまい・墓石撤去の費用を比べたい方へ

墓石の撤去費用は、区画の広さや墓地までの搬出経路で変わります。改葬先と墓地管理者への連絡を確認したうえで、複数の石材店の見積もりを比べてください。

墓石ナビで石材店の一括見積もりを確認する

申し込み後は、内容確認の連絡が来ることがあります。

8. 契約で書面にしておくこと|支払い・キャンセル・クーリング・オフ

頼む石材店が決まったら、契約の内容を書面に残します。墓石の撤去は一度壊すと元に戻せません。口頭の約束は、後で言った・言わないの争いになりがちです。

契約書・注文書に入れたい項目

項目書いておく内容
工事の範囲撤去する物(墓石・外柵・基礎・植栽など)と返還時の状態
金額と内訳項目ごとの金額、消費税、追加費用の条件と単価
工事日と予備日雨天や遺骨の状態で延びた場合の扱い
遺骨の扱い取り出しの立ち会い、骨壺の交換、運搬の有無
処分の方法撤去した石の処分先・方法
支払い時期、方法、前払いがある場合の金額
キャンセル工事前に取りやめた場合の費用

クーリング・オフが使える場合と使えない場合

特定商取引法は、訪問販売で契約した場合などに、書面を受け取った日から8日以内の申込みの撤回や解除を認めています(第9条)。これがクーリング・オフです。

ただし、自分から自宅に来るよう求めて契約した場合は、適用されないことがあります(同法第26条第6項第1号)。一方、突然の訪問や電話の勧誘で契約した場合は、対象になり得ます。どちらに当たるかの判断は、消費生活センターに相談してください。

家族の中で「契約する人」を決める

兄弟姉妹で費用を分ける場合も、石材店との契約者は1人に決めます。窓口が複数あると、工事日や追加費用の連絡が行き違います。費用の分担は、家族の中でメールや書面に残しておきます。

お墓を受け継ぐ人は、民法第897条により、祖先の祭祀を主宰する人とされています。墓地の使用者がその人であれば、契約者も同じ人にしておくと手続きがそろいます。

9. 頼む順番とスケジュール|改葬許可と工事日の関係

工事日は、改葬許可がいつ出るかを見てから決めます。許可の前に遺骨を取り出すことはできないためです。許可が出るまでの日数は、市区町村によって大きく違います。

許可証が出るまでの日数は自治体で違う

当サイトの市区別のページで、各自治体の公式案内から確かめた例です。詳しくは各ページと、そこで示した出典を見てください。

市区許可証が出るまでの案内補足
上尾市即日交付可能(1件20〜30分程度)許可証の手数料は無料
町田市翌営業日以降の交付郵送申請可、手数料なし
船橋市交付まで1週間程度即日発行はできない
横須賀市市の標準処理期間は即日市営公園墓地の埋蔵証明は発行まで14日との案内

横須賀市の例のように、市の許可より前に、墓地側の証明に日数がかかることもあります。石材店に工事日を伝えるのは、書類がそろう見通しが立ってからにしましょう。

返還の時期で管理料が変わる墓地もある

船橋市の「改葬手続きの手順について」は、墓石と囲障を撤去し更地にした後に、霊園返還届を出すよう案内しています。3月末までに返還届の手続きがないと、翌年度分の管理料が発生します。

年度末に返したい場合は、工事の完了から逆算して石材店を決める必要があります。年度末はお彼岸とも重なるため、余裕を持って動きます。

計算例|3月末までに区画を返す場合の逆算

前提:船橋市営霊園のように、3月末までの返還届で翌年度の管理料がかからない墓地とします。改葬許可の交付まで1週間程度、春のお彼岸は工事ができないと仮定します。日数は説明用の目安です。

時期の目安やること逆算の考え方
3月下旬(お彼岸明け〜月末)返還届を出す期限の数日前を目標にする
3月上旬〜中旬閉眼供養、遺骨の取り出し、撤去・整地お彼岸の前に終える。雨天の予備日を1週間取る
2月下旬改葬許可証を受け取る交付まで1週間程度を見込む
2月中旬埋蔵の証明と改葬先の受入証明をそろえ、申請する墓地側の証明の日数を先に聞いておく
1月〜2月上旬石材店の現地確認、見積もり比較、契約工事日は仮押さえにとどめる
12月〜1月親族・寺院への相談、改葬先の決定ここが遅れると全体が後ろにずれる

この例では、遅くとも1月には石材店に相談を始めたいことが分かります。年末年始は工事や窓口が止まる墓地も多いため、実際にはさらに早めの準備が安心です。

電話で相談しながら工事の日程を確かめる女性

10. 石材店とのトラブルに備える|困ったときの相談先

石材店との間で困りごとが起きたときは、内容によって相談先が変わります。どこに聞けばよいか迷ったら、まず消費生活センターに相談すると、窓口を案内してもらえます。

困りごと相談先
見積もりより高い請求、解約の費用、勧誘の仕方消費生活センター(消費者ホットライン188)
指定石材店のルール、返還時の状態、工事の届出今の墓地の管理者(管理事務所・寺院)
墓地の経営や管理の仕方への疑問墓地がある自治体の墓地担当課
改葬許可の申請書類遺骨がある市区町村の窓口、行政書士
契約の効力や損害賠償の判断弁護士、法テラス
費用の分担など親族間の話し合い弁護士、家庭裁判所の調停

消費者ホットライン188は全国共通の番号で、身近な消費生活センターや相談窓口を案内してくれます。相談するときは、契約書・見積書・規則の写しと、やり取りの日付を手元にそろえておきます。

墓地の経営許可や指導監督は、都道府県や市などが担っています。東京都の場合、改葬の許可は墓地がある区市町村長が出すと都の案内にあります。どの役所が担当かは、墓地の所在地の自治体のサイトで確かめてください。

この記事は一般的な情報です。個別の契約や親族間の判断は、上の専門家や窓口に相談してください。

【関連】地域ごとの制度と相談先を調べる

改葬許可の窓口や公営霊園の手続きは、お墓がある市区町村ごとに異なります。1都3県の制度は、都県別のガイドから確認できます。

改葬許可の窓口と、地元の石材事業者の例を載せている市区のページです。町田市・府中市・上尾市・船橋市のページでは、許可証の交付までの案内も紹介しています。

よくある質問

墓じまいの石材店は、自分で自由に選べますか?

墓地によります。公営霊園は指定がない例が多い一方、民営霊園や寺院墓地では指定石材店があることが多いです。まず使用規則と管理事務所で、指定の有無を確かめてください。

指定石材店の見積もりが高いと感じたら、どうすればよいですか?

撤去・運搬・処分・整地の内訳と、追加費用の条件を書面で出してもらいます。他社の見積もりを参考に項目の違いを質問する方法もあります。話がまとまらない場合は、消費者ホットライン188に相談できます。

石材店には、いつ連絡すればよいですか?

指定の有無を確かめたら、早めに現地を見てもらい、見積もりを取ります。契約と工事日の確定は、改葬許可の見通しが立ってからにすると、日程の組み直しを減らせます。

改葬許可の申請も、石材店に任せられますか?

役所に出す書類を報酬を得て作るのは、行政書士の業務です。2026年1月1日施行の改正で、名目を問わず報酬を得て行えないことが明確になりました。代行を頼むなら行政書士に相談し、見積もりに含まれる作業の中身を確かめてください。

建設業の許可がない石材店に頼んでも大丈夫ですか?

1件500万円未満の工事は「軽微な建設工事」とされ、許可がなくても請け負えます。許可の有無だけで判断せず、現地確認、内訳の書面、処分先、損害への備えを聞いて選んでください。

まとめ

  • 墓じまいの石材店選びは、今の墓地に指定石材店があるかを確かめることから始める
  • 国の指針は、選択の余地を全く奪う指定は適切でないとし、契約内容の書面化と説明を求めている
  • 指定がなければ2〜3社に同じ条件で見積もりを頼み、内訳・追加費用・下請け・処分先を比べる
  • 改葬許可の申請書を報酬を得て作るのは行政書士の業務。「代行込み」の中身は確かめる
  • 契約は書面で行い、支払い・キャンセル・工事日の扱いを決めておく
  • 工事日は改葬許可の見通しが立ってから決める。年度末に返すなら1月には相談を始めたい

撤去費用の内訳は墓石撤去の費用の記事で、墓じまい全体の順番は墓じまいの流れの記事で確認できます。

一次情報・参考資料

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この記事を書いた人

株式会社アクセス・リンク代表取締役。相続と実家じまいの情報を専門に扱う「相続と実家じまいガイド」を運営しています。相続登記、空き家の売却・解体、墓じまい・改葬など、親の実家やお墓を引き継ぐ家族が直面する手続きを調べ、記事にまとめています。法務省・国税庁・自治体などの一次情報を原文で確かめ、1都3県を中心に市区町村ごとの補助制度や相談窓口を整理しています。士業ではないため個別の法律・税務相談には応じていませんが、次に何を確認し、誰に相談すればよいかが分かる情報をお届けします。

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