墓じまいの流れ|6ステップと必要書類・費用・期間・当日の段取り

お寺の墓地でお墓の掃除と花の手向けをする家族

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墓じまいは、①親族の合意、②改葬先の確保、③改葬許可の申請、④閉眼供養と遺骨の取り出し、⑤墓石撤去と区画の返還、⑥納骨の6ステップです。役所の手続きは、今お墓がある市区町村への改葬許可の申請が中心です。費用は項目ごとに見積もりを取り、話し合いがまとまらないときは窓口や専門家に相談します。

この記事で分かること(法令・統計・自治体の公式案内をもとに整理):

  • 6ステップの順番と、墓じまいにかかる期間の目安
  • 墓じまいと改葬の違い、改葬許可が要らないケース
  • 遺骨の数が分からない・土葬の遺骨があるときの書き方
  • 永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨の違いと公営墓地の料金例
  • 当日の流れ(閉眼供養→遺骨の取り出し→墓石撤去)と費用の内訳
  • 親族・寺院との話し合い方と、トラブル時の相談先
目次

1. 墓じまいの流れは6ステップ|全体像と改葬の件数

古いお墓から新しい納骨堂へ続く飛び石を歩く夫婦

墓じまいは、親族、改葬先、役所、寺院・石材店と相手を替えながら進みます。

ステップやること主な相手
準備墓地の名義、遺骨の数、使用規則を確かめる墓地管理者
1改葬するか、費用を誰が負担するかを話し合う親族・寺院
2改葬先を決め、受入れを証明する書類をもらう改葬先の管理者
3埋蔵の証明を受け、改葬許可を申請する今の墓地管理者・市区町村
4閉眼供養を行い、遺骨を取り出す寺院・石材店
5墓石を撤去し、区画を返還する石材店・墓地管理者
6改葬許可証を出して納骨する改葬先の管理者

1と2は並行して進められます。ただ、改葬許可の申請書には「改葬の場所」を書く欄があります。改葬先が決まらないうちは、申請に進めません。

データで見る|改葬は10年で約2.1倍に

厚生労働省「衛生行政報告例」で、遺骨を移す許可(改葬)の件数を年度ごとに並べました。全国では、平成26年度の83,574件から令和6年度の176,140件へ、約2.1倍に増えています。

年度全国東京都神奈川県千葉県埼玉県
平成26年度83,574件7,573件4,557件4,847件2,367件
令和2年度117,772件8,973件5,318件5,222件3,480件
令和4年度151,076件10,915件7,438件7,538件5,996件
令和5年度166,886件14,950件8,939件7,475件5,453件
令和6年度176,140件12,982件9,366件8,042件6,854件

令和6年度の1都3県の合計は37,244件で、全国の約21%です。平成26年度の1都3県は19,344件だったので、10年でおよそ1.9倍になりました。

同じ表には中核市ごとの件数も載っています。当サイトに市のページがある中核市では、令和6年度は次のとおりです。八王子市1,096件、横須賀市708件、川越市551件、越谷市178件、柏市168件でした。

出典:厚生労働省「衛生行政報告例」第4章 生活衛生 第6表(e-Stat)。改葬は許可の件数で、墓の数や世帯数とは一致しません。合計・倍率は当サイトが計算しました。

2. 墓じまいと改葬の違い|役所の手続きは改葬許可だけ

「墓じまい」は法律用語ではありません。法律が定めているのは「改葬」です。墓地、埋葬等に関する法律(以下、墓埋法)第2条第3項は、改葬を次のように定義しています。

埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。

つまり、改葬は「遺骨を別のお墓や納骨堂へ移すこと」です。墓石を片付けて区画を返すのは、墓地との使用契約の手続きです。墓じまいは、この2つを合わせた呼び方と考えると整理できます。

改葬には、墓埋法第5条により市区町村長の許可が要ります。許可するのは「死体又は焼骨の現に存する地」の市町村長です。申請者の住所地や実家の所在地ではありません。

改葬許可が要る場合・要らない場合

遺骨の行き先で手続きが変わります。町田市と府中市のQ&Aでは、次のように案内しています。

遺骨の行き先改葬許可案内されている扱い
別の墓地・納骨堂へ移す必要今の墓がある市区町村で許可を受ける
同じ霊園内の永代供養墓へ移す必要同一園内の別区画への移動も手続きが要る
遺骨の一部を分ける(分骨)不要墓地管理者から分骨証明書をもらう
散骨する不要散骨の方法・場所は業者等に相談
行き先を決めずに自宅へ引き取る不要後の納骨に備え遺骨引渡証明書をもらうとよい

同じ霊園内の移動でも許可が要る点に注意します。墓埋法第4条は、焼骨の埋蔵を墓地以外の区域で行うことを禁じています。自宅に引き取った遺骨を庭に埋めることはできません。

3. 事前準備:名義・遺骨の数・使用規則を確かめる

親族に相談する前に、今のお墓の状態を確かめます。分からないままでは、費用も期間も見積もれません。

墓地使用者の名義を確認する

お墓には「墓地使用者」がいます。墓地と使用契約を結んでいる人のことです。親が使用者のまま亡くなっていることはよくあります。

府中市は、使用者が亡くなっている場合は「現在の墓地で墓地使用者を変更してから改葬の手続き」をするよう案内しています。町田市は、まず変更の要否を墓地管理者に確かめるよう案内しています。名義の変更が先か、書類の添付で足りるかは、墓地と自治体の両方に聞いておきます。

遺骨の数と年月日が分からないとき

改葬許可の申請書には、遺骨1体ごとに死亡年月日や埋葬の年月日を書きます。代々のお墓では、誰が何体入っているか分からないこともあります。

墓埋法第15条第2項は、墓地使用者などから求めがあれば、管理者は帳簿等の閲覧を拒めないと定めています。帳簿には埋蔵の年月日などを記載する決まりです(施行規則第7条)。まず寺院や霊園の記録を確かめます。

それでも分からない場合について、町田市は次のように案内しています。

  • 年月日が分からない:「不詳」、または分かるところまで書いて「以下不詳」とする
  • 遺骨の数が分からない:分かる範囲で正確な埋蔵者数を書く
  • 埋蔵証明に「先祖代々」とある:その骨壺1つを1体として扱う

土葬の遺骨がある場合

古いお墓には、火葬ではなく土葬(法律上の「埋葬」)の遺体が眠っていることがあります。令和6年度の衛生行政報告例では、全国で埋葬された死体は108件、火葬は1,659,086件でした。今の土葬はごく少数ですが、昔のお墓では事情が違います。

改葬の定義には「埋葬した死体」を移すことも含まれます。墓埋法第14条第3項は、火葬場は火葬許可証か改葬許可証を受け取った後でなければ火葬してはならないと定めています。

町田市は、土葬の遺体があれば火葬の要否を改葬先などに確認するよう案内しています。火葬が要る場合は改葬許可証で火葬でき、土葬骨と焼骨は申請書を分けるとしています。扱いは自治体で異なる可能性があるため、申請先に確かめてください。

墓地の使用規則を読む

使用規則(使用約款)では、見積もりの前に次の3点を確かめます。

  • 区画をどこまで戻して返すか(基礎の撤去、整地など)
  • 工事を行う石材店の指定があるか
  • 返還時に戻ってくるお金、または追加でかかるお金があるか

4. ステップ1:親族・寺院との話し合いの進め方

時間がかかりやすいのが、この話し合いです。誰に決める権限があるかを先に押さえます。

お墓を引き継ぐのは「祭祀承継者」

民法第897条は、墳墓の所有権などは相続の一般原則とは別に、祖先の祭祀を主宰する人が承継すると定めています。被相続人の指定があればその人、なければ慣習によって決まります。

慣習が明らかでないときは、家庭裁判所が定めます(同条第2項)。実家の不動産とは別の扱いなので、遺産分割の話し合いと混ぜないほうが整理しやすくなります。

遺言書で祭祀を主宰する人が指定されていることもあります。遺言書が出てきたときの扱いは遺言書を見つけたときにすることを参考にしてください。

親族に伝える4つのこと

  • 改葬したい理由(遠くて通えない、継ぐ人がいないなど)
  • 遺骨の移し先の候補と、その理由
  • 費用の見込みと、誰がどう負担するか
  • いつ頃までに終えたいか

兄弟姉妹が離れて暮らしている場合は、決めた内容を文書やメールで共有しておくと後から確認できます。実家の売却と同時期になるなら、相続人が複数いる実家の話し合いと合わせて連絡すると負担が減ります。

寺院には「相談」として早めに伝える

今のお墓が寺院の境内墓地なら、住職への相談は早いほうが無難です。改葬許可の申請には、墓地管理者による埋蔵の証明が要るためです。

伝えるときは、決定事項の通知ではなく、事情の説明から入るのが基本です。閉眼供養の要否、日程、区画の返し方もこの場で確認します。金額の話になったら、内訳を聞いてメモに残しておきます。

5. ステップ2:改葬先の選び方|永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨

改葬先は、法律上の位置づけと将来の管理で比べます。決めたら、受入証明書や使用許可証など受入れを証明する書類をもらいます。墓埋法上は、遺骨を納める先は「墓地にある墳墓」か「納骨堂」です。

種類法律上の扱い改葬許可選ぶ前に確かめること
一般墓(別の墓地)墓地内の墳墓必要継ぐ人がいるか、年間管理料
永代供養墓・合葬墓墓地内の墳墓(共同埋蔵)必要共同埋蔵の時期、後から取り出せるか
納骨堂都道府県知事等の許可を受けた施設必要収蔵期間、期間後の扱い
樹木葬墓地内の施設(都立霊園では樹林型合葬埋蔵施設)必要個別区画か合葬か、粉骨の要否
散骨墓埋法が想定する埋蔵・収蔵以外不要(自治体Q&A)場所、方法、親族の理解

「永代供養」は法律用語ではなく、内容は施設ごとに違います。契約書で、いつ合葬されるか、管理料が要るかを確かめます。

散骨については、厚生労働省のページに散骨事業者向けのガイドラインが掲載されています(令和2年度の研究報告書から)。焼骨は形が分からないよう粉状に砕くこと、陸上ならあらかじめ特定した区域で行うことなどが書かれています。

公営墓地の料金例|都立霊園の令和8年度募集

ここでは公表されている公営の料金を例に挙げます。東京都が2026年5月25日に発表した都立霊園の令和8年度募集です。

施設の種類使用料年間管理料
合葬埋蔵施設遺骨1体あたり53,000〜131,000円-
樹林型合葬埋蔵施設遺骨1体あたり95,000〜112,000円(粉状遺骨は31,000〜37,000円)-
一般埋蔵施設320,850〜20,480,000円1,620〜9,720円

公営墓地には居住年数などの申込資格があり、募集時期も決まっています。令和8年度は、申込期間が6月12日〜7月3日、抽選が8月14日、使用許可証の交付は12月予定でした。

計算例です。多磨霊園の樹林型合葬埋蔵施設に、遺骨2体を2体用の区分で納めるとします。申込資格を満たし当選した前提で、使用料は95,000円×2体=190,000円です。粉状遺骨なら31,000円×2体=62,000円になります。

また、小平霊園の一般・芝生埋蔵施設と八王子霊園の芝生埋蔵施設は、申込遺骨が「改葬遺骨でないこと」が要件です。公営を考える場合は、改葬の遺骨で申し込める区分かを先に確認してください。

6. ステップ3:改葬許可を申請する|書類と窓口の違い

市役所の窓口で改葬許可の申請書を出す男性

申請書の記載事項は、墓埋法施行規則第2条第1項に7つ定められています。

  1. 死亡者の本籍、住所、氏名及び性別
  2. 死亡年月日
  3. 埋葬又は火葬の場所
  4. 埋葬又は火葬の年月日
  5. 改葬の理由
  6. 改葬の場所
  7. 申請者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者等との関係

添付書類は同条第2項で、次の3つとされています。

  • 墓地・納骨堂の管理者が作成した、埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面(いわゆる埋蔵証明)
  • 申請者が墓地使用者等でない場合は、使用者等の承諾書(またはこれに対抗できる裁判の謄本など)
  • その他市町村長が特に必要と認める書類

埋蔵証明には「これにより難い特別の事情」がある場合の定めもあり、市町村長が認める書面で代えられるとされています。管理者が不明な古い墓地などは、申請先に相談してください。

なお、施行規則は改正され、許可証の様式が縦書きから横書きになりました(令和8年4月1日施行)。古い記入例と見た目が違うことがあるため、申請先が配る最新の様式を使ってください。

市区によって違う書類と窓口

受入証明書という書類名は、施行規則には出てきません。求めるかどうかは「その他市町村長が特に必要と認める書類」として、自治体ごとに分かれます。当サイトの市区ページで確認した内容を並べます。

市区窓口手数料確認できた特徴
越谷市市民課無料改葬先の受入証明書は不要
台東区戸籍住民サービス課無料受入証明書は原本。使用許可書・権利書なら写しでも可
八王子市市民課戸籍担当無料改葬先が複数なら改葬先ごとに申請書を作る
市原市市民課無料代理人による手続は不可、使者は可
柏市市民課・沼南支所など未確認遺骨1体につき申請書1枚
厚木市市民課未確認本人確認書類が必要。郵送は事前連絡
藤沢市福祉総務課未確認受入証明書または許可証、本人確認書類が必要

「未確認」は、当サイトの確認時点で公式ページに手数料の記載を見つけられなかったものです。無料と決めつけず、申請先で確かめてください。各市区の詳しい内容は、柏市、厚木市、藤沢市のページにもまとめています。

郵送申請と、許可証が届くまでの日数

お墓が遠方にある場合は、郵送で申請できるかが大切です。上の表の市区では、郵送に関する案内が確認できました(藤沢市は許可証の郵送受取)。返信用封筒の同封や、日中に連絡がつく電話番号の記入を求める自治体が多くあります。

許可証が届くまでの日数は自治体で違います。八王子市が公表する標準処理期間は1日です(調査基準日2024年9月1日)。町田市は、許可証の受け渡しは翌営業日以降と案内しています。柏市は、郵送の場合は発送まで1週間程度としています。

いずれも郵送の往復日数は別です。撤去工事の日は、許可証が手元に届く見込みが立ってから決めると安全です。

7. ステップ4・5:当日の流れ|閉眼供養→遺骨の取り出し→墓石撤去

墓前で閉眼供養を行う僧侶と家族

改葬許可証が届いたら現地の作業に入ります。寺院、石材店、家族の日程を、改葬先の納骨日から逆算して合わせます。

当日の一般的な段取り

寺院墓地での一般的な順番は次のとおりです。公営・民営の霊園では、宗教者を呼ぶかどうかから家族で決めます。

  1. 集合し、改葬許可証の原本、遺骨を運ぶ箱や風呂敷、お布施などの持ち物を確認する
  2. 閉眼供養を行う
  3. 石材店が納骨室(カロート)を開け、遺骨を取り出す
  4. 取り出した遺骨の数が、申請した数と合っているかを確かめる
  5. 遺骨を持ち帰るか、改葬先へ運ぶ
  6. 墓石を解体・撤去し、区画を整地する
  7. 墓地管理者の確認を受け、区画を返還する

墓石の撤去は、取り出しと同じ日の場合も別の日の場合もあります。立ち会いの範囲は石材店と決めておきます。

閉眼供養とお布施

閉眼供養は、墓石に込めたとされる魂を抜く仏教の儀式です。宗派や寺院によって考え方が違うため、要否と日程は住職に相談します。

お布施の額は、寺院ごとに異なります。この記事では目安を示しません。分からない場合は、率直に寺院へ尋ねて構いません。

取り出した遺骨の扱い

骨壺の状態は、開けてみないと分からないことがあります。骨壺の交換や粉骨(遺骨を細かく砕くこと)が必要になったときの費用を、見積もりの段階で確認しておきます。

改葬先によっては、骨壺の大きさや形に条件があります。都立霊園の樹林型合葬埋蔵施設のように、粉状にした遺骨の区分を設けている施設もあります。

遺骨を複数の改葬先に分ける場合は、八王子市のように改葬先ごとに申請書を作る自治体があります。どの遺骨をどこへ移すか、一覧にしておくと当日の取り違えを防げます。

墓石の撤去と区画の返還

墓石の撤去後は、区画を使用規則どおりに戻して返します。どこまで戻すかで工事の量が変わるため、規則を確認してから見積もりを取ります。

厚生労働省が2025年12月に出した事務連絡は、民法第897条により墓石等は祭祀承継者が承継すると解されると整理しています。無縁墳墓として改葬された後も、墓石の扱いは私法上のルールで判断するとしています。家族で行き先を決められるうちに片付ける意味は、ここにもあります。

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墓石の撤去費用は、区画の広さや墓地までの搬出経路で変わります。改葬先と墓地管理者への連絡を確認したうえで、複数の石材店の見積もりを比べてください。

墓石ナビで石材店の一括見積もりを確認する

申し込み後は、内容確認の連絡が来ることがあります。

8. ステップ6:納骨と、墓じまい全体の期間の目安

最後に、改葬許可証を改葬先の管理者に提出して納骨します。墓埋法第14条は、墓地や納骨堂の管理者は改葬許可証を受け取った後でなければ、埋蔵・収蔵をさせてはならないと定めています。

許可証をなくすと納骨できないため、原本の保管者を決めておきます。

期間を左右するのはどこか

墓じまい全体の期間について、公的な統計はありません。公表資料で日数が分かる部分と、相手しだいで決まる部分を分けて整理します。

段階公表資料で分かる日数期間を左右するもの
親族の合意なし人数、住んでいる場所、考え方の違い
改葬先の確保都立霊園は申込6〜7月、抽選8月、許可証交付12月予定(令和8年度)公営は募集時期、民営は空き状況
埋蔵証明なし墓地管理者とのやり取り
改葬許可八王子市は標準処理期間1日、町田市は翌営業日以降、柏市は郵送で発送まで1週間程度書類の不備、郵送の往復
取り出し・撤去なし寺院・石材店の日程、天候

公営墓地を改葬先にする場合は、募集が年1回のこともあります。その場合、申込から使用許可まで半年近くかかる計算です。役所の許可は数日でも、全体では数か月から1年程度を見込んでおくと慌てずに済みます(日数は当サイトの見立てです)。

9. 費用の内訳と、見積もりで確かめること

石材店の作業員が墓石を撤去する様子を見守る女性

墓じまいの総額は、区画の広さ、搬出経路、改葬先の種類で大きく変わります。この記事では総額の目安を示しません。代わりに、見積もりを取るべき項目を並べます。

費用の項目支払先確認のポイント
改葬許可の手数料市区町村無料の自治体もある。申請先の案内で確認
戸籍・証明書の取得費、郵送費市区町村など本籍地が遠いと取り寄せに日数もかかる
閉眼供養のお布施寺院金額は寺院ごとに異なる
遺骨の取り出し・墓石撤去・整地石材店作業範囲、追加費用が出る条件
骨壺の交換・粉骨石材店など必要になった場合の単価
遺骨の運搬石材店など遠方の場合の方法と費用
改葬先の費用改葬先使用料、年間管理料、納骨時の費用

石材店の見積もりでは、作業範囲、追加費用の条件、遺骨の扱い、工事日、区画の戻し方を書面で確認します。複数の見積もりを同じ条件でそろえると、項目の抜けに気づきやすくなります。

ただし、石材店を自由に選べるとは限りません。国民生活センターの消費者トラブルFAQは、公営墓地以外では提携石材店を指定されるのが一般的で、自由に選ぶのは難しいと説明しています。

同じFAQは、事前に見積もりを取り、不明点を確認して、納得してから依頼するよう勧めています。まず使用規則で、指定石材店があるかを確かめましょう。

実家の片付けと同じ時期に進める場合は、仏壇や位牌の扱いも決める必要があります。家財の分け方は遺品整理と家財処分の進め方に、全体の順番は相続した実家を整理する順番にまとめています。

10. トラブルを避けるための確認と相談先

離檀料を求められたとき

神奈川県は2025年10月6日、消費生活の注意情報で「離檀料」を取り上げました。離檀料は寺へお礼として慣習的に支払うお布施の一種で、「特に妥当な目安といったものはありません」と説明しています。

同じ情報では、支払いで折り合えず、自治体に出す埋蔵証明書をもらえず困ったケースも紹介しています。金額に納得がいかない場合は、基本的には寺と話し合うことになるとしています。同様のトラブルは民間霊園でも起こりうるとも書かれています。

払う・払わないは、この記事では判断できません。記録を残し、解決しないときは次の窓口へ相談してください。

困りごと別の相談先

困りごと相談先
申請書の書き方、受入証明書の要否、郵送の方法今お墓がある市区町村の改葬担当
使用規則、指定石材店、区画の返し方今の墓地の管理者
石材店・寺院・霊園との費用トラブル消費生活センター(消費者ホットライン188)
祭祀承継者が決まらない、親族間で争いがある弁護士、家庭裁判所
申請書類の作成行政書士(代理人の手続を認めない自治体もあるため事前に確認)

相続放棄を考えている場合も、お墓は民法第897条により相続とは別に承継される財産です。実家の扱いと合わせて、相続放棄を考えるときの実家の扱いも確認し、個別の判断は弁護士に相談してください。

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墓石の撤去費用は、区画の広さや墓地までの搬出経路で変わります。改葬先と墓地管理者への連絡を確認したうえで、複数の石材店の見積もりを比べてください。

墓石ナビで石材店の一括見積もりを確認する

申し込み後は、内容確認の連絡が来ることがあります。

【関連】地域ごとの制度と相談先を調べる

改葬許可の窓口や書類は、お墓がある市区町村ごとに異なります。1都3県の制度は、都県別のガイドから確認できます。

この記事で改葬許可の例として取り上げた市区のページです。

よくある質問

墓じまいの改葬許可は、どこの役所に申請しますか?

今、遺骨が納められているお墓や納骨堂がある市区町村です。墓埋法第5条第2項で、改葬の許可は死体または焼骨の現に存する地の市町村長が行うと定められています。申請者の住所地ではありません。

墓じまいには、どのくらいの期間がかかりますか?

全体の期間を示す公的な統計はありません。役所の許可は八王子市の標準処理期間が1日など短い一方、親族の合意や改葬先の確保に時間がかかります。公営墓地は募集が年1回のこともあるため、数か月から1年程度を見込むと計画が立てやすくなります(当サイトの見立てです)。

同じ霊園の永代供養墓に移す場合も、改葬許可は必要ですか?

町田市と府中市の案内では、同じ霊園内の別区画や永代供養墓へ移す場合も手続きが必要とされています。一方、分骨、散骨、行き先を決めずに自宅へ引き取る場合は、改葬の手続きは不要と案内されています。

埋葬した年月日や遺骨の数が分からないときは、どう書きますか?

まず寺院や霊園の記録を確認します。町田市の案内では、どうしても分からない年月日は「不詳」や「以下不詳」と書き、遺骨の数は分かる範囲で正確に書くとしています。扱いは自治体で異なる可能性があるため、申請先に確かめてください。

離檀料は払わなければなりませんか?

この記事では判断できません。神奈川県の消費生活情報は、離檀料はお布施の一種で、特に妥当な目安はないと説明しています。納得できない場合は基本的に寺と話し合うことになり、解決しないときは消費生活センターや弁護士へ相談してください。

まとめ

墓じまいは、名義・遺骨の数・使用規則を確かめる準備から始めます。そのうえで親族の合意、改葬先の確保、改葬許可の申請と進めます。

役所の手続きは、今お墓がある市区町村への改葬許可の申請が中心です。受入証明書の要否や手数料は、その申請先で決まります。同じ霊園内で移す場合も許可が要る点に注意してください。

費用は項目ごとに見積もりを取ります。話し合いがまとまらないときは、自治体の窓口、消費生活センター、弁護士に相談しましょう。

一次情報・参考資料

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この記事を書いた人

株式会社アクセス・リンク代表取締役。相続と実家じまいの情報を専門に扱う「相続と実家じまいガイド」を運営しています。相続登記、空き家の売却・解体、墓じまい・改葬など、親の実家やお墓を引き継ぐ家族が直面する手続きを調べ、記事にまとめています。法務省・国税庁・自治体などの一次情報を原文で確かめ、1都3県を中心に市区町村ごとの補助制度や相談窓口を整理しています。士業ではないため個別の法律・税務相談には応じていませんが、次に何を確認し、誰に相談すればよいかが分かる情報をお届けします。

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