相続した実家の売却|手順・税金の計算例・兄弟で分ける方法と確定申告

相続した実家の前で不動産会社の担当者と話す夫婦

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結論から言うと、相続した実家を売るには、まず相続人の名義に登記を移す必要があります。そのうえで査定、媒介契約、売買契約、引渡しと進み、売った翌年の2月16日〜3月15日に確定申告をします。

税金は、売った金額から取得費と譲渡費用を引いた「譲渡所得」にかかります。条件が合えば、空き家の3,000万円特別控除か、相続税の取得費加算で税額を抑えられます。

この記事で分かること(国税庁・法務省の案内をもとに整理):

  • 売却までの8つのステップと、それぞれの期限
  • 名義の決め方(1人で相続・共有・換価分割)
  • 譲渡所得の計算例(特例なし・3,000万円控除・取得費加算・兄弟3人)
  • 兄弟で売るときの登記と、各自の確定申告
  • 地域で変わる解体補助や確認書の窓口(3市の例)
目次

1. 相続した実家を売るまでの流れ|8つのステップと期限

相続した家の売却では、売る前に「誰の家か」を決める工程が加わります。全体の流れと期限は次のとおりです。

順番やること期限・目安
①遺言書の有無と相続人を確かめる亡くなった直後から
②相続するか放棄するかを決める相続を知ってから3か月以内
③遺産分割協議で、実家を誰がどう引き継ぐか決める期限なし(下の登記・申告の期限に注意)
④相続登記をする取得を知った日から3年以内
⑤査定を受け、不動産会社と媒介契約を結ぶ登記と並行して始めてよい
⑥売買契約を結ぶ特例を使うなら売却期限を確認
⑦決済・引渡し(買主へ名義を移す)相続登記が済んでいることが前提
⑧譲渡所得の確定申告をする売った年の翌年2月16日〜3月15日

相続税がかかる場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納税をします(国税庁 No.4205)。売却代金で払うなら、この期限から逆算します。

売るか、持ち続けるかを先に家族で話す

手続きに入る前に、相続人どうしで方向性をそろえます。持ち続けると、固定資産税や見回りの費用が毎年かかります。売ると決めた後に「残したい」という家族が出ると、契約の段階で話が止まります。

実家を使う予定の人がいるか、代金をどの割合で分けるか、いつまでに売りたいかの3点は、早めに共有しておきましょう。

2. 売る前に決める「名義」の3パターン|1人で相続・共有・換価分割

兄弟がいる場合、遺産分割で実家の名義を次の3つのどれにするかで、売り方が変わります。

パターン中身売るときの売主向く場面
1人で相続(現物分割)長男などが実家を相続し、他の兄弟は預貯金などを相続する相続した1人他に分けられる財産がある
共有で相続兄弟それぞれが持分を持つ共有者全員全員が売却に賛成している
換価分割実家を売り、代金を決めた割合で分ける共有者全員、または代表者実家しか大きな財産がない

1人で相続するか、共有にするか

1人で相続した場合は、その人だけで売却を進め、税金もその人が申告します。

共有にすると、実家全体を売るには共有者全員が売主として契約に加わる必要があります。1人でも反対すれば、全体の売却は進みません。

換価分割は、「売って現金で分ける」ことを遺産分割の中で決める方法です。兄弟で公平に分けやすい一方、登記と申告に注意点があります(7章)。

このほか、1人が実家を相続し、他の兄弟へお金を払う「代償分割」という方法もあります。

3. 相続登記をしないと売れない|義務化と登録免許税の目安

登記簿上の所有者が亡くなった親のままでは、買主へ名義を移す登記ができません。売却の前に、相続人の名義へ相続登記をしておきます。

法務省によると、相続登記は令和6年4月1日から義務になりました。相続の開始と取得を知った日から3年以内に申請します。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象です。

令和6年4月1日より前に相続した未登記の不動産も対象です。この場合の期限は令和9年3月31日です。遺産分割が成立したときは、成立した日から3年以内に、その内容に沿った登記を申請する義務もあります。

登録免許税の計算例

相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額に1,000分の4(0.4%)を掛けて計算します(国税庁 No.7191)。評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書の課税明細で確かめられます。

前提:土地の評価額1,200万円、建物の評価額100万円の一戸建て。

項目計算金額
課税標準1,200万円+100万円1,300万円
登録免許税1,300万円×0.4%5万2,000円

評価額100万円以下の土地には、令和9年3月31日までの免税措置があります。期限や免税措置の条件は相続登記の義務化と期限にまとめています。

4. 査定と不動産会社選び|媒介契約と仲介手数料の上限

実家の室内を確認する査定担当者

査定は、相続登記と並行して始められます。価格の見込みが分かると、遺産分割の話し合いも具体的になります。査定の前に、次の資料を集めておきます。

  • 固定資産税の納税通知書(評価額と面積が分かる)
  • 登記事項証明書、または権利証・登記識別情報
  • 親が買ったときの売買契約書や領収書
  • 建築確認済証、測量図、境界の資料

親が買ったときの契約書は、税金の計算で「取得費」の証拠になります。片付けの際に捨てないよう、家族で共有しておきます。

自分でも相場を調べておく

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際の取引価格や地価公示などを調べられます。近所の取引事例を見ておくと、査定額が高すぎるか低すぎるかの目安になります。

査定は複数の会社に頼み、価格の根拠を聞きます。建物付きと解体後の両方の案、片付けや測量の費用、売れるまでの期間の見込みを比べると、会社ごとの違いが見えてきます。

媒介契約の種類と、売主が確かめられること

仲介で売るときは、不動産会社と媒介契約を結びます。国土交通省によると、媒介契約には3つの類型があります。どれを選ぶかは、物件の内容や情報の公開範囲を考えて会社と相談します。

売り物件の情報は、不動産会社間の物件検索システム「レインズ」に登録されます。売主は登録証明書のIDなどで、自分の物件が「公開中」かを確かめられます。

仲介手数料の上限と計算例

仲介手数料には、法律に基づく告示で上限があります。国土交通省の案内では、物件価格を区切って税込の料率を掛けた合計が上限です。

物件価格(税別)の区分料率(税込)3,000万円で売った場合
200万円以下の部分5.5%11万円
200万円超400万円以下の部分4.4%8万8,000円
400万円超の部分3.3%85万8,000円
合計(上限)-105万6,000円

物件価格が800万円以下の「低廉な空家等」では、令和6年7月1日から特例があります。上限を30万円の1.1倍(33万円)まで引き上げられる仕組みです。郊外の安い実家では手数料が上がることがあるので、媒介契約の前に金額を書面で合意しておきます。

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5. 売買契約から引渡しまで|書類・費用・契約で確かめること

実家の売買契約書に署名する場面

買主が決まったら売買契約を結び、後日、残りの代金を受け取って引き渡します。契約から引渡しまでの間に、相続登記や家財の撤去を終えておく段取りが一般的です。

売るときにかかる主な費用

費用目安・計算税金の計算での扱い
仲介手数料上限は前章の計算(3,000万円なら105万6,000円)譲渡費用
売買契約書の印紙税1,000万円超5,000万円以下は1万円(軽減措置、令和9年3月31日までの作成分)売主負担分は譲渡費用
測量費境界が不明なときにかかる譲渡費用
建物の取壊し費用土地として売るために壊したとき譲渡費用
相続登記の登録免許税評価額×0.4%取得費に含められる(概算取得費を使うときを除く)
固定資産税・修繕費持っている間の維持費譲渡費用にならない

国税庁 No.3255 は、譲渡費用を「売るために直接かかった費用」と説明しています。修繕費や固定資産税のような維持・管理の費用は含まれません。

相続の際に払った登記費用は、取得費に入れられます(国税庁 No.3270)。ただし、後で説明する「売った金額の5%」を取得費にする方法を使う場合は、登記費用を足せません。

契約書で確かめる4つの条項

  • 引渡しの日と、それまでに売主がすること(家財の撤去、境界の明示など)
  • 建物の不具合が見つかったときの責任の範囲と期間
  • 手付金の額と、解約するときの扱い
  • 解体や耐震改修を誰がいつ行うか(空き家の特例を使う場合)

古い実家の分かっている傷みは、事前に書面で買主へ伝えておくと、売却後のトラブルを減らせます。

6. 実家を売ったときの税金|譲渡所得の計算と2つの特例

実家を売ったときの税金を計算する女性

土地や建物を売って利益が出ると、所得税と住民税がかかります。この利益を「譲渡所得」といい、給与などとは分けて税額を計算します(国税庁 No.3202)。

計算式は次のとおりです。

譲渡所得=売った金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

取得費は、親が買ったときの代金や購入手数料に、改良費などを足した額です。建物は、持っていた期間の減価償却費相当額を差し引きます。

取得費が分からないときは「売った金額の5%」

先祖代々の土地や、買った時期が古くて資料がない家もあります。国税庁 No.3258 によると、取得費が分からないときは、売った金額の5%を取得費にできます。実際の取得費が5%より少ない場合も同じです。

3,000万円で売ったなら、取得費は150万円です。売却額の95%から譲渡費用を引いた額が利益になるため、税額は大きくなりがちです。

税率は「親が取得した時期」で決まる

譲渡所得は、売った年の1月1日時点の所有期間で税率が変わります。相続した不動産は、親が取得した日をそのまま引き継ぎます(国税庁 No.3270)。

区分所有期間(売った年の1月1日時点)所得税住民税
長期譲渡所得5年超15%5%
短期譲渡所得5年以下30%9%

このほか、所得税額の2.1%の復興特別所得税がかかります(令和29年分まで)。親が長く住んでいた実家なら、多くは長期譲渡所得です。

計算例|同じ3,000万円の売却で税額はここまで変わる

共通の前提(説明のための仮定)は次のとおりです。

  • 売却額3,000万円、所有期間5年超(長期)
  • 譲渡費用120万円(仲介手数料105万6,000円、印紙税1万円、測量費等13万4,000円)
  • 取得費は、契約書がない場合は5%の150万円。契約書がある場合は900万円(建物は減価償却後)
ケース譲渡所得所得税+復興特別所得税住民税税額の合計
A 契約書なし・特例なし3,000万-150万-120万=2,730万円409万5,000円+8万5,995円136万5,000円約554万6,000円
B 契約書あり・特例なし3,000万-900万-120万=1,980万円297万円+6万2,370円99万円約403万2,000円
C Aに空き家の3,000万円控除2,730万-2,730万=0円0円0円0円
D Bに取得費加算180万円3,000万-1,080万-120万=1,800万円270万円+5万6,700円90万円約365万7,000円

AとBの差は約151万円です。取得費の証拠の有無で、これだけ変わります。

Cは、空き家の特例の要件をすべて満たした場合です。控除は譲渡所得の範囲までなので、税額は0円です。

Dの加算額180万円は、次の仮定で計算しました。売主が払った相続税600万円、その人が相続した財産の価額8,000万円、実家の相続税評価額2,400万円です。600万円×2,400万円÷8,000万円=180万円です。

数字は仕組みを示すための例です。個別の判断は税務署か税理士に確認してください。

特例1|空き家の3,000万円特別控除

国税庁 No.3306 の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。主な要件は次のとおりです。

  • 昭和56年5月31日以前に建てられた家で、区分所有の建物ではない
  • 亡くなる直前に、親以外に住んでいた人がいなかった
  • 相続から売るまで、貸したり住んだりしていない
  • 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る
  • 令和9年12月31日までの売却で、売却代金が1億円以下
  • 耐震基準を満たすか、取り壊してから売る(令和6年以後は、売った翌年2月15日までの工事も対象になり得る)

令和6年1月1日以後の売却で、家と敷地を相続した人が3人以上なら、控除は1人あたり最高2,000万円です。申告には、市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。

要件の細かな確認は空き家の3,000万円特別控除、確認書の取り方は被相続人居住用家屋等確認書で解説しています。

特例2|相続税の取得費加算

相続税を払った人が、相続した財産を一定期間内に売ると、払った相続税の一部を取得費に足せます(国税庁 No.3267)。要件は次の3つです。

  • 相続や遺贈で財産を取得した人である
  • その人に相続税が課税されている
  • 相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売る

相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。そのため、目安として相続から3年10か月ほどが売却期限になります。加算額は、相続税額に「売った財産の評価額÷その人の取得財産の価額」を掛けて計算します。加算額は、特例を使わない場合の譲渡益が上限です。

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です(国税庁 No.4152)。遺産がこの範囲に収まり相続税がかからなかった人は、この特例を使えません。

2つの特例は同時に使えない

国税庁 No.3306 は、空き家の特例の要件として「取得費の特例など他の特例の適用を受けていないこと」を挙げています。同じ家や敷地で、両方を使うことはできません。

比べる点空き家の3,000万円控除取得費加算
使える人要件を満たす家と敷地を相続した人相続税が課税された人
主な条件昭和56年5月31日以前の建物、一人暮らしだった、など建物の古さや居住の条件はない
売却期限相続から3年を経過する日の属する年の年末、かつ令和9年末まで相続税の申告期限の翌日以後3年まで
減る額譲渡所得から最高3,000万円(3人以上なら各2,000万円)取得費に相続税の一部を加算

どちらが有利かは金額と要件次第です。契約の前に、両方の試算を税理士に頼むと判断しやすくなります。

7. 兄弟で売るとき|共有名義・換価分割の登記と申告

売却代金の分け方を話し合うきょうだい

兄弟で実家を売って分けるときは、登記の方法と代金の分け方を先に決めておきます。曖昧なままだと、税金の負担が偏る原因になります。

登記の方法は2通り

方法流れ注意点
全員の共有で登記して売る兄弟の持分で相続登記→全員が売主になる→代金を持分で受け取る契約や決済の日程を全員で合わせる必要がある
代表者1人の名義で登記して売る代表者の名義で相続登記→代表者が売主になる→代金を分ける分け方を遺産分割協議書に書いておく

代表者の名義にすると、手続きを1人に集められます。気になるのは、代金を兄弟に渡すことが贈与にあたらないかです。

国税庁の質疑応答事例に、遺産分割の調停で換価分割を決め、換価の都合で1人の名義に登記した例があります。回答では、登記が単に換価のための便宜で、代金が調停の内容どおりに分配される場合は、贈与税の課税は問題にならないとしています。

この事例は調停の場合です。話し合いで決める場合も、協議書に「代表者が売却し、代金を何割ずつ分ける」と書いておくと、後で経緯を説明しやすくなります。書き方は司法書士や税理士に確認してください。

確定申告は、兄弟それぞれが行う

換価分割で売った場合、譲渡所得は兄弟それぞれの所得です。代表者の名義で売っても、代表者が全員分をまとめて申告するわけではありません。

国税庁の質疑応答事例は、申告の割合を次のように整理しています。

  • 売る時点で代金の分け方が決まっている:その割合で各自が申告する
  • 分け方を決めずに売った:原則として法定相続分で各自が申告する
  • 確定申告の期限までに分け方が決まり、全員がその割合で申告した:その申告は認められる

期限までに分け方が決まらず法定相続分で申告した後は、別の割合で分けても「更正の請求」はできないとされています。売る前に分け方を決めておきましょう。

計算例|兄弟3人で3分の1ずつ分けた場合

前章のケースA(契約書なし、譲渡所得2,730万円)を、兄弟3人で3分の1ずつ分けたとします。

ケース1人あたりの譲渡所得1人あたりの税額3人の合計
特例なし910万円約184万9,000円(所得税136万5,000円、復興特別所得税2万8,665円、住民税45万5,000円)約554万6,000円
空き家の特例を使う(3人以上なので各2,000万円まで)910万円-910万円=0円0円0円

分けても合計の税額は変わりません。特例の上限は、取得した相続人が2人なら各3,000万円、3人以上なら各2,000万円です。

確認書も、相続人が複数なら各人が申請する自治体があります(横須賀市など)。

反対する兄弟がいるとき

共有の実家は、1人でも反対すると全体を売れません。まとまらないときは、家庭裁判所の遺産分割調停や弁護士への相談を検討します。進め方は相続人が複数いる実家の進め方を参考にしてください。

8. 売った翌年の確定申告|期間・必要書類・相続税との期限

国税庁 No.2020 によると、確定申告の期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです。申告と納付の期限は3月15日です。譲渡所得は、申告書の第三表(分離課税用)を使って申告します。

譲渡所得の収入の時期は、原則として資産を引き渡した日です。2026年11月に引き渡したなら、申告期間は2027年2月16日〜3月15日です。契約と引渡しが年をまたぐときは、どの年分になるかを税務署で確かめます。

申告で使う主な書類

  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]
  • 売ったときと、親が買ったときの売買契約書の写し
  • 仲介手数料、測量費などの領収書
  • 空き家の特例を使う場合:被相続人居住用家屋等確認書、登記事項証明書など、耐震基準適合証明書または取壊しを示す書類
  • 取得費加算を使う場合:相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書

土地・建物の登記事項証明書は、不動産番号を明細書に書くことで添付を省ける場合があります(国税庁 No.3306)。申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作れます。

特例で税額が0円になる場合も、特例を受けるには確定申告が要ります。

9. 地域で変わること|空き家率・解体補助・確認書の窓口

解体の補助や確認書の窓口は、市区町村ごとに違います。当サイトの市区別ページから、3市の例を並べました。

市空き家率(令和5年住宅・土地統計調査)解体の補助(当サイト確認時点)確認書の窓口など
神奈川県横須賀市15.6%(空き家3万270戸)空き家解体費用助成:2分の1・上限35万円。旧耐震空き家解体助成:2分の1・上限15万円まちなみ景観課。交付まで通常1〜2週間程度
千葉県香取市16.9%(空き家5,520戸)危険空家除却工事補助金:2分の1・上限50万円。特定空家等の認定などが条件譲渡の時期で申請様式が異なる
埼玉県加須市11.1%(空き家5,580戸)一般の相続空き家の解体補助は、確認した範囲で掲載なし交通防犯課または各総合支所地域振興課

出典は各ページに記載した市の案内と統計です。補助を使うなら、交付決定の前に解体の契約や工事を始めないことが共通の注意点です。横須賀市の2つの解体助成は併用できず、香取市の補助は市内業者との契約などが条件です。詳しくは横須賀市のページ、香取市のページ、加須市のページで確かめてください。

確認書は申告直前に慌てない

空き家の特例に要る確認書は、即日交付とは限りません。横須賀市の案内では、交付まで通常1〜2週間程度とされています。

同市は、解体前の写真や契約書など、後から集めにくい資料を先に確かめるよう案内しています。売却を決めた段階で、窓口に必要書類を聞いておきましょう。

10. 売れない・迷うときの選択肢と相談先

仲介で買い手が見つからないときは、不動産会社による買取、解体して土地で売る、自治体の空き家バンク、賃貸などを検討します。建物がない土地なら、要件を満たせば相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう方法もあります。

貸すと「相続から売るまで貸していない」という空き家の特例の要件を満たせなくなります。売る可能性が少しでもあるなら、貸す前に税の影響を確かめてください。

解体すると、住宅用地の特例(200㎡以下の部分は課税標準が6分の1)が外れ、土地の固定資産税が上がることがあります。建物付きと更地の両方の査定を取り、解体費と税の変化を差し引いた手取りで比べるのが基本です。

相談先の使い分け

相談したいこと相談先
相続登記、代表者名義での登記、遺産分割協議書法務局の手続案内、司法書士
譲渡所得の計算、特例の選び方、確定申告税務署、税理士
相続税の申告と取得費加算の試算税理士
兄弟で話がまとまらない、連絡がつかない弁護士、家庭裁判所
解体補助、確認書、空き家バンク実家のある市区町村の担当課
価格の見込み、売り方の比較複数の不動産会社

相談の前に、登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、親が買ったときの契約書、相続人の一覧をそろえておくと話が早く進みます。

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【関連】地域ごとの制度と相談先を調べる

管轄の法務局、解体補助、確認書の窓口は、実家のある市区町村で違います。1都3県の制度は、都県別のガイドから確認できます。

よくある質問

相続した実家は、相続登記の前に売れますか?

査定や買主探しは登記の前から始められます。ただし、買主へ名義を移すには、先に相続人の名義へ相続登記をしておく必要があります。相続登記は令和6年4月1日から義務で、取得を知った日から3年以内が原則です。

相続した実家を売ったら、税金はいくらかかりますか?

売った金額から取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得に、所有期間5年超なら所得税15%と住民税5%、復興特別所得税がかかります。3,000万円で売り取得費が不明なら、特例なしで約554万円という計算例になります。空き家の特例が使えれば0円になることもあります。

兄弟で相続した実家を売ったとき、確定申告は誰がしますか?

代金を受け取った兄弟それぞれが、自分の分を申告します。代表者1人の名義で売った場合も同じです。売る前に分け方を決めていればその割合、決めていなければ原則として法定相続分で申告します。

空き家の3,000万円控除と取得費加算は一緒に使えますか?

同じ家や敷地では一緒に使えません。空き家の特例は、取得費の特例など他の特例を受けていないことが要件です。どちらが有利かは金額と要件で変わるため、契約前に税理士に試算を頼むと判断しやすくなります。

特例で税金が0円になる場合も、確定申告は必要ですか?

必要です。空き家の3,000万円控除や取得費加算は、確定申告で書類を添えて初めて適用されます。申告の期間は売った年の翌年2月16日から3月15日までです。

まとめ

相続した実家は、遺産分割と相続登記で名義を相続人へ移してから売ります。その後、査定、契約、引渡しと進み、翌年に確定申告をします。

税金は譲渡所得にかかり、親の取得費が分かるかどうかで税額が大きく変わります。条件が合えば、空き家の3,000万円控除か取得費加算のどちらかを使えます。2つは併用できないので、契約前に試算しておきましょう。

兄弟で分けるなら、代金の割合を売る前に決め、各自が申告します。登記は司法書士、税金は税理士、補助や確認書は市区町村の窓口に相談しましょう。

一次情報・参考資料

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