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結論から言うと、固定資産税は毎年1月1日の所有者にかかります。親が亡くなった年の分は、相続人が引き継いで納めます。遺産分割が決まるまでは相続人全員の共有となり、全員が連帯して納める義務を負います。市区町村には相続人代表者指定届を出します。空き家でも住宅用地特例はすぐには外れません。ただし、管理不全空家・特定空家として勧告を受けると外れます。
この記事では、地方税の制度を所管する総務省、東京都主税局、1都3県の市の公式案内をもとに、次のことを整理します。
- 亡くなった時期による、納税義務者の違い
- 相続人代表者指定届と現所有者申告の出し方と期限
- 東京23区と市町村で、窓口と様式がどう違うか
- 実家の固定資産税の計算方法と、前提つきの年額の計算例
- きょうだいでの分担と、遺産分割での精算のしかた
- 空き家のまま持つ場合、解体・売却・相続放棄をする場合の扱い
- 納付方法と、困ったときの相談先
1. 実家の固定資産税は誰が払う?|基準は「1月1日の所有者」
固定資産税は、土地と家屋を持っている人にかかる市町村の税金です。東京23区の中だけは、都が課税しています。
誰が払うかは、その年の1月1日で決まります。この日を「賦課期日(ふかきじつ)」と呼びます。総務省は、賦課期日を「当該年度の初日の属する年の1月1日」と示しています。
原則は、固定資産課税台帳に載っている所有者
納税義務者は、1月1日に土地・家屋の所有者として固定資産課税台帳に登録されている人です。台帳は、登記簿の所有者をもとに作られます。
藤沢市の案内では、この原則に例外があると説明しています。登記された所有者が1月1日より前に亡くなっていれば、その日に現に所有している人が納税義務者になります。根拠は地方税法343条・359条です。
つまり、親の名義のまま相続登記が終わっていなくても、翌年度からの税は相続人にかかります。「名義が親だから、まだ払わなくてよい」とはなりません。
亡くなった時期で、通知書の宛名が変わる
亡くなった日が1月1日の前か後かで、その年度の扱いが変わります。次の表で整理します。
| 亡くなった時期 | その年度の税 | 翌年度以降の税 |
|---|---|---|
| 1月2日〜12月31日 | 1月1日に生きていた親に課税。相続人が納税義務を引き継ぐ | 次の1月1日に現に所有している相続人に課税 |
| 1月1日より前(前年中) | 1月1日に現に所有している相続人に課税 | 登記するまでは現所有者として相続人に課税 |
| 相続登記を済ませた後 | ― | 登記名義人に課税。共有なら全員が対象 |
東京都主税局は、亡くなった年の納税義務は一般に相続人に引き継がれると案内しています(地方税法9条)。親の口座から引き落としていた場合は、口座振替の廃止・変更の手続きが必要です。通知書が届いたら、納期限を最初に確かめてください。
年の途中で売っても、その年度の納税者は変わらない
1月2日以降に実家を売っても、その年度の納税義務者は売主のままです。東京都主税局は、日割りで精算する商慣習について「地方税法上で規定されているものではありません」と明記しています。
精算の割合や起算日は、売主と買主の合意で決まります。売却の年の扱いは、8章で改めて説明します。
2. 亡くなった年の分と翌年度以降の分は、性格が違う
相続した実家の固定資産税は、2種類に分けて考えると整理しやすくなります。親の税を引き継いだ分と、相続人自身にかかる分です。
亡くなった年度の分は「親の税」を引き継いだもの
親が1月1日に生きていた年度の税は、もともと親に課された税です。柏市は、納税義務者が亡くなると、その納税義務は相続人に承継されると案内しています。
この分は、相続税の計算にも関係します。国税庁のNo.4126では、被相続人に課される税金で、死亡後に相続人が納めるものは債務として差し引けるとしています。
相続税の申告が必要な家庭では、亡くなった年度の納税通知書と領収書を保管してください。どの税が対象になるかの最終判断は、税理士に確認します。
翌年度以降の分は、相続人全員の連帯納付
遺産分割が終わるまで、実家は相続人全員の共有です。東京都主税局は、遺産分割協議中などで協議書や遺言書がない場合、法定相続人全員の共有とみなすとしています。
共有の不動産にかかる固定資産税は、共有者全員が連帯して納める義務を負います(地方税法10条の2)。藤沢市は、連帯納税義務を「各自の持分に関係なく、共有者全員が全額の納税義務を負うもの」と説明しています。
役所が持分で分けて、それぞれに請求するわけではありません。納付書は代表者あてに届くのが一般的です。ほかの相続人も、全額について納める義務を負っている点は変わりません。分担は相続人どうしで決める必要があります。
3. 相続人代表者指定届と現所有者申告|出し方と期限

親が亡くなったら、実家のある市区町村に届出をします。多くの市では、2つの届出が1枚の様式にまとめられています。
2つの書類の役割
藤沢市の案内では、2つの書類の目的を分けて説明しています。
- 相続人代表者指定届:亡くなった人に代わり、その年度の納付書や還付の書類を受け取る代表者を、法定相続人の中から決める
- 固定資産現所有者申告書:翌年度以降の課税のために、いま実家を所有している人を申告する
川越市は、この届出が相続財産の権利関係には影響しないと明記しています。代表者になっても、実家を相続すると決まったわけではありません。届出で登記の名義も変わりません。
期限は「知った日の翌日から3か月」が多い
川越市と藤沢市は、現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過した日までに出すよう求めています。東京23区も、知ってから3か月を申告期限としています。
川越市は、正当な理由なく申告しないと、市税条例により過料が科される場合があると注意しています。相続登記が3か月で終わりそうになければ、先に届出を出しておきましょう。
手続きの流れ
| 順番 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| ① | 親あての納税通知書・課税明細書を探す。口座振替かどうかも確認 | 亡くなってすぐ |
| ② | 相続人を確かめ、代表者を話し合って決める | 1か月以内が目安 |
| ③ | 相続人代表者指定届・現所有者申告書を出す | 知った日の翌日から3か月 |
| ④ | 口座振替を廃止・変更し、納付方法を決める | 次の納期限まで |
| ⑤ | 遺産分割を終え、相続登記を申請する | 取得を知ってから3年以内 |
柏市は、手続きを亡くなってから1か月以内を目途に行うよう案内しています。相続登記は令和6年4月1日に義務化され、取得を知ってから3年以内の申請が必要です。登記の進め方は相続登記の義務化と期限で整理しています。
添付する書類と、未登記の建物
藤沢市では、相続人であることが分かる書類の写しを添えます。例として、戸籍全部事項証明書、遺産分割協議書、遺言書、法定相続情報一覧図が挙げられています。
古い実家では、増築部分や物置が登記されていないことがあります。東京都主税局は、未登記の家屋にも固定資産税がかかると案内しています。川越市では、未登記家屋の名義を変えるには「家屋補充課税台帳名義人変更届」を資産税課に出します。
4. 東京23区と市町村で、窓口と様式が違う
同じ固定資産税でも、窓口と様式は自治体ごとに違います。とくに東京23区は、区役所ではなく都税事務所が窓口です。当サイトが公式ページで確かめた4つの自治体を比べます。
| 自治体 | 窓口 | 様式・出し方 | 期限など |
|---|---|---|---|
| 東京23区 | 実家のある区の都税事務所 | 現所有者申告書(令和3年4月1日開始)。代表者がまとめて申告できる | 知ってから3か月 |
| 柏市 | 資産税課 | 電子申請、または資産税課へ電話連絡 | 亡くなってから1か月以内を目途 |
| 川越市 | 資産税課・各市民センターなど | 相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書。郵送も可 | 知った日の翌日から3か月。過料の注意あり |
| 藤沢市 | 資産税課 | 相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書。窓口または郵送 | 知った日の翌日から3か月 |
出典:東京都主税局「相続があったとき」、柏市・川越市・藤沢市の公式ページ(確認日:2026-10-02)。様式や受付方法は変わることがあるため、提出前に各窓口で確認してください。
23区の現所有者申告で知っておきたいこと
東京都主税局によると、申告の義務は現所有者全員にあります。ただし代表者がまとめて申告すれば、ほかの相続人は別に申告しなくてかまいません。納税通知書は、申告書に代表申告者として書いた人に届きます。
実家とは別に、親が他の区や市に土地を持っていることもあります。その場合は、区ごと・市町村ごとに申告が必要です。23区外で申告していても、23区内の資産は都税事務所へ別に出します。
相続登記をすれば、申告は不要になる
現所有者申告は、登記が済むまでのつなぎの手続きです。東京都主税局は、亡くなった年のうちに名義変更を済ませれば、翌年度の通知書は新しい所有者に届くとしています。
共有で登記したときは、登記簿で筆頭の人に通知書が届きます。遠方に住む相続人が筆頭なら、送付先を変える手続きも検討します。
5. 実家の固定資産税はいくら?|計算方法と年額の計算例
相続した後の負担を見積もるには、税額の計算のしくみを知っておくと便利です。土地と家屋で計算のしかたが少し違います。
税額の基本式と免税点
基本の式は「課税標準額×税率」です。固定資産税の標準税率は1.4%です。市街化区域の土地・家屋には、都市計画税がかかることがあります。総務省は、都市計画税の制限税率を0.3%としています。
家屋は、台帳の価格(評価額)がそのまま課税標準額になります。土地は、住宅用地の特例や負担調整措置を当てはめて課税標準額を出します。
課税標準額の合計が少なければ、税はかかりません。これを免税点といい、同じ市町村内で同じ人が持つ土地は30万円、家屋は20万円です。総務省によると、令和9年度分から家屋の免税点は30万円になります。
住宅用地特例で、土地の課税標準が下がる
住宅が建っている土地は、課税標準額が大きく下がります。東京都主税局の案内では、次のとおりです。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡までの部分) | 価格×1/6 | 価格×1/3 |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 価格×1/3 | 価格×2/3 |
23区では、小規模住宅用地の都市計画税をさらに2分の1にする都独自の軽減もあります。市町村の独自措置は、実家のある自治体に確かめてください。
前提つきの計算例|実家1軒の年額
次の前提で、相続した実家1軒の年額を試算します。実在の物件ではなく、計算のしかたを示すための例です。
- 土地180㎡、価格(評価額)1,800万円。全部が小規模住宅用地
- 木造の家屋、価格200万円
- 市街化区域内で、都市計画税は0.3%
- 負担調整措置や、自治体独自の軽減は考えない
| 項目 | 計算 | 税額(年) |
|---|---|---|
| 土地の固定資産税 | 1,800万円×1/6=300万円 ×1.4% | 42,000円 |
| 土地の都市計画税 | 1,800万円×1/3=600万円 ×0.3% | 18,000円 |
| 家屋の固定資産税 | 200万円×1.4% | 28,000円 |
| 家屋の都市計画税 | 200万円×0.3% | 6,000円 |
| 合計 | ― | 94,000円 |
この前提では、年9万4,000円です。誰も住んでいなくても、毎年この程度はかかり続けます。実際の税額は、課税明細書の課税標準額で計算し直してください。
課税明細書のどこを見るか
納税通知書には、土地と家屋ごとの課税明細書が付いています。確かめたいのは次の項目です。
- 所在地・地番・家屋番号:知らない土地や私道の持分がないか
- 価格(評価額):登録免許税の計算にも使う数字
- 課税標準額:特例や負担調整を当てはめた後の数字
- 住宅用地の区分:小規模住宅用地として扱われているか
価格と課税標準額は、別の数字です。混同すると、税額の見込みも登記費用の見込みもずれます。
6. きょうだいでの分担と、遺産分割での精算

役所への納付は代表者がまとめて行います。ただ、代表者だけが払い続けると、不公平感が生まれます。分け方を先に決めておきましょう。
分担のしかたは3通り
| 分け方 | 考え方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 法定相続分で分ける | 共有の持分に合わせて負担する | まだ誰が実家を取得するか決まっていない |
| 使う人が負担する | 住んでいる人、物置に使っている人が多めに払う | 相続人の1人が実家を利用している |
| 取得する人が最後に精算する | 代表者が立て替え、遺産分割で取得者が清算する | 売却や取得者がほぼ決まっている |
法律で決まった分け方はありません。相続人全員が納得できる方法を選び、書面に残すことが大切です。
前提つきの計算例|2年分を立て替えた場合
5章の例(年9万4,000円)を使います。相続人は子3人で、法定相続分は各3分の1とします。長男が代表者として2年分、18万8,000円を立て替えた場合です。
| 精算の方法 | 長男 | 長女 | 次男 |
|---|---|---|---|
| 法定相続分で分ける | 62,667円 | 62,667円 | 62,666円 |
| 実家を取得する長女が全額負担 | 0円 | 188,000円 | 0円 |
| 売却代金から差し引いて分ける | 売却代金から188,000円を長男に戻し、残りを3等分 | ||
どれを選んでも、立て替えた本人に戻るお金をはっきりさせておくことが大切です。端数の扱いも決めておくと、後の行き違いを防げます。
遺産分割協議書に書いておくこと
精算の取り決めは、遺産分割協議書に入れておくと、後で確かめやすくなります。たとえば「固定資産税等の立替金は、実家を取得する者が代表者に支払う」と書きます。
あわせて、火災保険料や修繕費、草刈りの費用も同じ扱いにするかを決めます。固定資産税だけ精算して、ほかの費用が残ると、話がこじれやすくなります。
記録の残し方と、代表者の変更
- 納税通知書と課税明細書は、写真を撮って全員に共有する
- 領収書や引き落としの記録を、年度ごとに保管する
- 立て替えた日付・金額・内容を、表にまとめておく
共有の登記をした後に、通知書を受け取る代表者を変えたいこともあります。藤沢市では「共有資産に係る納税義務者の代表者指定(変更)届」で変更できます。
相続人の人数が多い、連絡が取りにくいといった事情があるときは、相続人が複数いる実家の進め方も参考にしてください。
7. 空き家のまま持つとき|特例が続く条件と外れる条件

誰も住まなくなった実家でも、固定資産税はかかり続けます。気になるのは、住宅用地特例がいつまで使えるかです。
空き家になっただけでは、特例は外れない
国土交通省の空き家対策サイトでは、住宅用地特例の対象を、1月1日に人が居住するための家屋の敷地として使われている土地と説明しています。
相続で空き家になっても、それだけで特例が外れるわけではありません。外れるきっかけになるのは、市区町村からの勧告です。なお、住めない状態まで傷んだ家の扱いは自治体の判断になるため、心配なら資産税の窓口に確かめます。
管理不全空家・特定空家と勧告
空家法は令和5年に改正され、改正法は令和5年12月13日に施行されました。改正で、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家も「管理不全空家」として指導の対象になりました。
| 区分 | 状態の目安 | 税への影響 |
|---|---|---|
| 管理不全空家等 | 適切に管理されず、そのままでは特定空家になるおそれがある | 指導に従わず勧告を受けると、住宅用地特例の対象外 |
| 特定空家等 | 倒壊など保安上の危険、衛生上の害、景観の悪化などのおそれがある | 勧告を受けると、住宅用地特例の対象外 |
東京都主税局によると、勧告を受け、1月1日までに必要な措置をとらないと、その土地は特例から外れます。勧告の後でも、1月1日までに改善すれば影響を防げる余地があります。
特例が外れたら、どこまで上がるか
特例が外れた土地は、住宅用地ではない宅地として扱われます。東京都主税局の負担調整の表では、この区分の課税標準額の上限は価格の70%です(23区は条例で65%相当に軽減)。
5章の例で、上限まで上がった場合を試算します。土地の固定資産税は、1,800万円×70%×1.4%=17万6,400円です。特例があるときの4万2,000円の約4.2倍になります。
よく「6倍になる」と言われますが、上限が70%なので、この例では約4.2倍です。実際の上がり方は、前年度の課税標準額と負担調整措置で変わります。建物の分の税も、建物が残る限りかかり続けます。
当サイトが調べた市区の窓口と制度
当サイトの市区ページでは、空き家と税の窓口を公式情報をもとにまとめています。固定資産税に関わる記載を、2つ紹介します。
- 千葉県野田市:解体による課税への影響は課税課へ確認するよう案内しています。空家バンクの登録には、特定空家等や管理不全の状態でないこと、市税を完納していることなどの条件があります(野田市の空き家ページ)
- 東京都板橋区:老朽建築物等対策支援事業で、区が管理不全空家等などと認定した建物の除却費を助成します。原則は対象経費等の2分の1・上限100万円です(板橋区の空き家ページ)
勧告や空き家の認定は、市区町村の空き家担当が扱います。一方、特例の適用は税の窓口(23区は都税事務所の土地班)が扱います。問い合わせ先が2つに分かれる点に注意してください。
特例を守るには、管理を続けることが前提です。点検の項目や頻度は空き家の管理チェックリストで確認できます。
8. 解体・売却をすると、税はどう変わるか
持ち続ける負担が重いなら、解体や売却も選択肢です。税の面の要点だけまとめます。
解体すると、翌年度から土地の税が上がりうる
東京都主税局によると、家屋を取り壊すと、取り壊した年の翌年度から家屋の固定資産税がかからなくなります。一方、住宅の敷地でなくなるため、土地の特例は使えなくなります。
判定は1月1日の状態で行われるので、年末に解体を終えるか年明けにするかで、翌年度の税が変わります。取り壊したら1か月以内に建物滅失登記を申請します。費用や手順は実家の解体チェックリストで詳しく解説しています。
売った年の精算と、3,000万円控除
1章のとおり、売った年度の税は1月1日の所有者が納めます。買主との日割り精算は、契約書の取り決めで決まります。精算の起算日も、契約書で確かめておきます。
相続した空き家を売る場合は、国税庁No.3306の特例で、譲渡所得から最高3,000万円を控除できることがあります。令和9年12月31日までの売却などの要件があり、相続人が3人以上なら上限は2,000万円です。
持ち続ける・売る・解体するを比べる
| 選択肢 | 固定資産税の動き | そのほかの負担 |
|---|---|---|
| 空き家のまま持つ | 特例が続けば、毎年ほぼ同じ額 | 管理費、交通費、火災保険。勧告を受けると土地の税が上がる |
| 解体して土地で持つ | 家屋の税はなくなるが、土地の税は上がりうる | 解体費、滅失登記。草刈りなどの管理は続く |
| 売却する | 翌年1月1日に名義が移っていれば、翌年度からかからない | 仲介手数料、譲渡所得税。特例の要件確認 |
判断に迷うなら、まず今の状態でいくらで売れるかを確かめると比べやすくなります。売却前の準備は相続した実家の売却チェックリストで整理しています。
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9. 相続放棄を考えているときの固定資産税
実家に価値がなく、借金もあるといった場合は、相続放棄を考えることがあります。放棄を考えているなら、固定資産税の扱いに注意が必要です。
全員が放棄すれば、納税義務は引き継がれない
柏市は、相続人全員が相続放棄をして相続人がいない場合、納税義務は承継されないと案内しています。その場合は、家庭裁判所の「相続放棄申述受理証明書」の写しを収納課に出します。
放棄の手続き中に納税通知書が届くこともあります。慌てて払う前に、放棄を検討していることを税の窓口に伝えてください。
支払いや手続きの前に、専門家へ相談する
親の預金から税を払うなど、相続財産に手を付ける行為は、放棄の判断に影響することがあります。放棄を考えているなら、支払いの前に司法書士か弁護士に相談しましょう。
放棄の期限や実家の管理については相続放棄と実家で解説しています。
10. 納付方法・納期限と、困ったときの相談先

納期は自治体ごとに違う
東京23区の固定資産税は、6月・9月・12月・2月の年4回払いです。第1期の月に納税通知書が届きます。東京都主税局は、1年分をまとめて払う一括払用の納付書も案内しています。
23区以外の市町村は、納期が異なることがあります。届いた納税通知書の納期限を確かめ、家族のカレンダーに入れておきましょう。
主な納付方法
藤沢市の案内を例に、固定資産税の主な納め方をまとめます。対応する方法は自治体で違います。
| 方法 | 内容 | 手数料 |
|---|---|---|
| スマホ決済 | 対応アプリで納付書のeL-QRを読み取る | アプリにより異なる |
| クレジットカード | eLお支払サイトで納付書のeL-QRを読み取る | あり |
| コンビニ・金融機関 | 店舗や窓口に納付書を持参する | なし |
| 口座振替 | 指定した口座から納期限日に自動で引き落とす | なし |
| ペイジー | ネットバンキングやATMで納める | なし |
親の口座で振替をしていた場合、柏市では収納課で振替口座の廃止・変更をします。代表者の口座に切り替えておくと、払い忘れを防げます。
通知書が届かない・遠方で受け取れないとき
納税通知書は、原則として登記された所有者か、届け出た代表者に届きます。代表者が引っ越したときは、送付先の変更を届け出ます。藤沢市では、市外から市外への転居なら電話やメールで連絡するよう案内しています。
納期限に間に合わない事情があるときは、期限が過ぎる前に納税の窓口へ相談してください。
論点ごとの相談先
| 困っていること | 相談先 |
|---|---|
| 届出の様式、課税の内容、住宅用地の扱い | 市町村の資産税課(23区は都税事務所) |
| 納付方法、口座振替、納期限 | 市町村の納税課・収納課(23区は都税事務所) |
| 管理不全空家・特定空家の指導や勧告 | 市区町村の空き家担当 |
| 相続登記、未登記建物の登記 | 法務局、司法書士、土地家屋調査士 |
| 相続税の債務控除、売却時の特例 | 税務署、税理士 |
| 相続放棄、相続人どうしの対立 | 家庭裁判所、弁護士 |
【関連】地域ごとの制度と相談先を調べる
固定資産税の窓口や空き家の制度は、実家のある市区町村で違います。1都3県の制度は、都県別のガイドと市区ページから確認できます。
- 東京都の相続と空き家|市区別の制度と相談先ガイド
- 神奈川県の相続と空き家|市区別の制度と相談先ガイド
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- 柏市の空き家|相続後の売却・制度と相談先
- 板橋区の空き家|相続後の売却・制度と相談先
よくある質問
相続した実家の固定資産税は誰が払うのですか?
毎年1月1日の所有者が払います。親が1月1日より前に亡くなっていれば、その日に実家を現に所有している相続人が納税義務者です。遺産分割が終わるまでは相続人全員の共有となり、全員が連帯して納める義務を負います。
親が亡くなった年の固定資産税は、誰が払いますか?
親が1月1日に生きていた年度の分は、親に課された税です。この納税義務は相続人が引き継ぎます。代表者がまとめて納め、遺産分割のときに精算するのが一般的です。
相続人代表者指定届は、いつまでに出せばいいですか?
川越市や藤沢市では、現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過した日までです。東京23区でも、知ってから3か月が申告期限です。様式や期限は自治体で違うため、実家のある市区町村の案内を確認してください。
空き家にすると、固定資産税は6倍になりますか?
空き家になっただけでは、住宅用地特例は外れません。管理不全空家や特定空家として勧告を受けると外れます。外れた場合でも課税標準額の上限は価格の70%です。小規模住宅用地の部分なら、土地の固定資産税は最大で約4.2倍が目安で、6倍にはなりません。
相続放棄をしたら、固定資産税は払わなくてよいですか?
相続人全員が放棄して相続人がいなくなれば、納税義務は引き継がれないと柏市は案内しています。その場合は相続放棄申述受理証明書の写しを出します。放棄を考えているなら、親の預金から払う前に司法書士か弁護士に相談してください。
まとめ
実家の固定資産税は、毎年1月1日の所有者にかかります。親が亡くなった年度の分は相続人が引き継ぎ、翌年度からは相続人全員が連帯して納めます。
最初にやることは、納税通知書を探し、代表者を決めて、相続人代表者指定届・現所有者申告を出すことです。期限は知った日の翌日から3か月という自治体が多く、23区は都税事務所が窓口です。
分担は法律で決まっていません。立て替えの記録を残し、遺産分割協議書で精算の方法を決めておきましょう。空き家のまま持つなら、勧告を受けないよう管理を続けることが前提です。持ち続ける負担が重いなら、売却の条件も早めに確かめておくと判断しやすくなります。
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一次情報・参考資料
- 総務省「固定資産税の概要」(標準税率・免税点・賦課期日、確認日:2026-10-02)
- 総務省「都市計画税」(制限税率、確認日:2026-10-02)
- 東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」(納期・住宅用地特例・負担調整・家屋の滅失、令和8年度、確認日:2026-10-02)
- 東京都主税局「相続があったとき」(現所有者申告、確認日:2026-10-02)
- 東京都主税局「よくある質問(固定資産税・都市計画税)」(地方税法9条・343条・384条の3、確認日:2026-10-02)
- 東京都主税局「『特定空家等』または『管理不全空家等』に該当すると土地に対する固定資産税・都市計画税の税額が高くなる場合があります」(確認日:2026-10-02)
- 柏市「納税義務者が亡くなられた時の市税に関する手続き」(更新日:令和7年12月4日、確認日:2026-10-02)
- 川越市「固定資産の所有者が亡くなった場合の手続き」(更新日:2024年11月22日、確認日:2026-10-02)
- 藤沢市「固定資産税の納税義務者について」(地方税法343条・359条・384条の3、更新日:2026年8月20日、確認日:2026-10-02)
- 藤沢市「固定資産税・都市計画税納税通知書の送付先について」(更新日:2026年8月20日、確認日:2026-10-02)
- 藤沢市「固定資産の共有資産の代表者について」(地方税法10条の2、確認日:2026-10-02)
- 藤沢市「市税の納付」(確認日:2026-10-02)
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」(令和5年12月13日施行、確認日:2026-10-02)
- 国土交通省 空き家対策特設サイト「空家法とは」(確認日:2026-10-02)
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-02)
- 国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-02)
