実家の遺品整理の進め方|最初に探す書類・仕分け・業者の確認点

親の部屋で遺品を整理するきょうだい

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実家の遺品整理は、相続人が進めるものです。相続放棄を考えているなら、価値のある物の処分や持ち出しは控えます。処分すると、相続を認めたとみなされるおそれがあるからです(民法921条)。

順番は「探す→分ける→処分する」です。最初に遺言書・通帳・権利証・契約書類を探し、次に形見分けをして、最後に処分します。ごみは自治体の区分に従い、業者に頼むなら一般廃棄物の許可か市区町村の委託があるかを確かめます。

この記事では、民法の条文、裁判所・法務省の手続案内、環境省と国民生活センターの注意喚起をもとに、次のことを整理します。

  • 相続放棄を考えている人が「やってよいこと・控えること」の線引き
  • 最初に探す重要書類のチェック表と、家の中の探し方
  • 遺言書を見つけたときの検認と、法務局の保管制度の費用
  • 形見分けと遺産分割の関係
  • 家電4品目・パソコンなど、品目別の処分方法
  • 業者に頼むときの許可・見積り・契約の確認点
  • 家財処分に使える自治体の補助の例(当サイト市区ページから)
目次

1. 実家の遺品整理は誰がする?始める時期の考え方

遺品整理とは、亡くなった人の持ち物を探し、分け、引き継ぐか処分するかを決める作業です。単なる片付けとは違い、相続の手続きと重なります。

民法896条により、相続人は亡くなった人の財産に属した一切の権利義務を引き継ぎます。家財も預貯金も、借金も含みます。相続人が複数いれば、遺産分割が終わるまで相続財産は相続人全員の共有です(898条)。

つまり実家の家財は、原則として相続人全員の物です。一人の判断で捨てたり売ったりすると、兄弟間のもめごとになりやすくなります。

始める時期に決まりはない。ただし期限のある手続きに注意

遺品整理そのものに法律上の期限はありません。四十九日の後に始める家庭も多いですが、それも習慣です。急ぐべきかどうかは、次の期限で判断します。

期限・事情目安遺品整理への影響
相続放棄・限定承認の判断相続の開始を知った時から3か月以内(915条)判断が済むまで、価値のある物の処分は控える
親が賃貸住宅に住んでいた賃貸借契約で決まる解約・明け渡しの時期まで家賃がかかり続ける
相続税の申告が必要死亡を知った日の翌日から10か月以内財産の把握が遅れると申告の準備が間に合わない
持ち家が空き家になる期限なし管理の手間と固定資産税が続く

親が賃貸住宅に住んでいた場合、借りる権利も相続されます。家賃は相続人が払うことになるため、管理会社への連絡は早めにします。ただし、相続放棄を考えているときの解約や明け渡しの扱いは、専門家に確認してから進めてください。

持ち家の場合は、家そのものの方針(売る・持つ・解体する)とあわせて段取りを決めます。全体の流れは相続した実家を整理する順番にまとめています。

2. 相続放棄を考えているなら、先に「処分」を止める

遺品整理で最も注意したいのが、相続放棄との関係です。民法921条1号は、相続人が相続財産の全部または一部を「処分」したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています。

単純承認とは、借金も含めてすべてを引き継ぐことです。そうなると、後から借金が見つかっても放棄できなくなるおそれがあります。

一方、同じ条文のただし書きで「保存行為」は除かれています。保存行為とは、財産の価値を保つための行為です。どこまでが保存で、どこからが処分かは、物の価値や行為の内容で判断が分かれます。

やってよいこと・控えることの目安

次の表は、条文と裁判所の手続案内をもとに当サイトが整理した目安です。個別の判断は、弁護士・司法書士に確認してください。

行為目安理由・注意点
通帳・権利証・契約書類を探して保管するやってよい財産を調べるための行為。持ち出した物は一覧にする
生ものや腐る食品を捨てるやってよい衛生を保つための行為で、財産的な価値がほぼない
窓の施錠、雨漏りの応急処置やってよい家の価値を保つ保存行為にあたる
貴金属・骨とう品・車を売る控える相続財産の処分にあたるおそれが高い
家具・家電をまとめて業者に引き取らせる控える価値のある物が混じると処分とみられるおそれ
形見として高価な物を持ち帰る控える財産を取得したとみられるおそれ
預金を引き出して自分の支払いに使う控える相続財産の消費にあたるおそれ

相続放棄は、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所に申述します。費用は申述人1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です(裁判所「相続の放棄の申述」)。

借金の額が分からないときは、限定承認という方法もあります。相続で得た財産の範囲でだけ借金を引き継ぐ方法で、相続人全員が共同で申述します(922条・923条)。放棄の手続きと実家の扱いは相続放棄を考えるときの実家の扱いで詳しく説明しています。

3. 最初に探すもの|遺言書・通帳・権利証などの重要書類

机の引き出しから通帳や重要書類を探す女性

片付けに手を付ける前に、相続の手続きに必要な物を探します。袋に詰めてから気づいても、ごみと一緒に出してしまえば取り戻せません。

重要書類・貴重品のチェック表

区分探す物何に使うか
遺言遺言書、エンディングノート、公正証書の正本・謄本遺産の分け方、遺言執行者の有無を確かめる
預貯金通帳、キャッシュカード、届出印残高と取引の確認、相続手続き
不動産権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書相続登記、評価額の確認
有価証券証券会社の取引報告書、配当金の通知口座の特定と名義変更
保険・年金保険証券、年金証書、年金の通知はがき保険金の請求、年金の停止・未支給分の請求
借入・保証ローン契約書、カードの利用明細、督促状、保証契約書借金の把握。放棄するかどうかの判断材料
契約賃貸借契約書、公共料金・携帯電話・サブスクの明細解約・名義変更、引き落としの停止
貴重品現金、貴金属、時計、美術品、金庫の鍵遺産の一覧に載せ、分け方を話し合う

見つけた物は、見つけた場所・日付・保管した人を一覧にします。写真も撮っておくと、ほかの相続人に説明しやすくなります。現金を見つけたら、数えた金額を立会人と確認して記録しましょう。

遺言書を見つけたら、封を開けずに家庭裁判所へ

自宅で遺言書を見つけた相続人は、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求します(民法1004条1項)。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもとでなければ開封できません(同条3項)。

検認を経ずに遺言を執行したり、家庭裁判所の外で開封したりすると、5万円以下の過料の対象です(1005条)。検認は遺言の有効・無効を判断する手続きではなく、偽造や変造を防ぐためのものです(裁判所「遺言書の検認」)。

公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言は検認がいりません。親が法務局に預けていたかもしれないときは、相続人が「遺言書保管事実証明書」を請求して確かめられます(法務省)。

計算例|遺言書を確かめるときの実費

次の前提で、公的な手数料だけを計算します。郵便切手代は裁判所ごとに異なるため含めていません。

場面手続き手数料
自宅で封筒入りの遺言書を1通見つけた検認の申立て(遺言書1通)+検認済証明書の申請800円+150円=950円
法務局に預けていないかを調べる遺言書保管事実証明書1通800円
預けてあった遺言書の内容を手続きに使う遺言書情報証明書1通1,400円

たとえば、自宅で1通見つかり、念のため法務局の保管も調べる場合は、950円+800円で1,750円です。戸籍謄本などの取得費は別にかかります。遺言書の扱いの詳細は遺言書を見つけたときにすることをご覧ください。

4. 遺品の探し方|部屋ごと・郵便物・スマホから手がかりを集める

重要な物ほど、思わぬ場所にしまわれています。部屋を片付けながら探すより、「探す日」と「片付ける日」を分けたほうが見落としが減ります。

探す順番と、よくしまわれている場所

  • 仏壇の引き出し、たんすの上段、鏡台、本棚の本の間
  • 冷蔵庫の上、押し入れの奥の箱、布団の間
  • 金庫、手提げ金庫、鍵のかかる引き出し
  • 書類の束が入った紙袋、菓子の缶、封筒の束
  • 車のグローブボックス、物置

郵便物と通帳の記録は「財産の地図」

銀行・証券会社・保険会社からの郵便は、口座や契約がある手がかりです。数か月分の郵便を開けずにためておき、差出人ごとに分けると取引先が見えてきます。

通帳の引き落とし欄も役立ちます。保険料、カードの利用代金、ローンの返済、会費などの相手先が分かります。

スマホ・パソコンの中の「デジタル遺品」

ネット銀行やネット証券は、通帳も郵便もないことがあります。スマホやパソコンの中に、口座やサブスク契約の手がかりが残っているかもしれません。

端末は初期化や処分をせず、充電して保管します。パスワードが分からなくても、メールで届く取引通知や、カード明細の請求元から契約先をたどれることがあります。

5. 形見分けと思い出の品|相続財産との線引き

アルバムや形見を家族で見ながら分ける様子

形見分けとは、故人の愛用品を家族や親しい人に分けることです。気持ちのこもった習慣ですが、法律の上では相続財産を分ける行為と重なります。

高価な物は遺産分割の対象として扱う

写真や手紙、日用品のように経済的な価値がほとんどない物は、家族で話し合って分ければ足ります。一方、貴金属、ブランド品、着物、骨とう品、美術品などは、遺産の一部として扱うのが基本です。

価値が分からない物は、形見分けの前に一覧にして、査定を受けるかどうかを相続人全員で決めます。先に誰かが持ち帰ると、「勝手に取った」という不満の原因になります。

遺産分割協議書を作るときは、こうした動産をまとめて「その他の家財一式は〇〇が取得する」と書く方法もあります。書き方は遺産分割協議書と実家で確認できます。

仏壇・位牌は相続財産とは別の扱い

民法897条は、系譜・祭具・墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰する人が引き継ぐと定めています。亡くなった人が指定していれば、その人が引き継ぎます。

仏壇や位牌などは、遺産分割で分ける財産とは別に、誰が祭祀を引き継ぐかを決めます。処分する場合も、引き継ぐ人を決めてからにしましょう。

思い出の品は「保留箱」で時間をかける

アルバムや手紙は、無理に一度で決めず、保留箱に入れて期限を決めます。写真はスキャンして共有すれば、原本を取り合わずに済みます。

6. 仕分けの手順とごみの出し方

残す物・処分する物に仕分けた家財

重要書類と形見の確認が済んだら、残りの家財を仕分けます。部屋ごとに、次の4つに分けると判断が速くなります。

区分入れる物次の行き先
① 残す相続人が使う物、形見、祭具引き取る人の家へ。遺産の一覧に記録
② 売る・譲るまだ使える家具・家電、本、贈答品リユース店、知人、寄付先
③ 処分する傷んだ物、日用品、衣類自治体の区分に従ってごみに出す
④ 保留判断に迷う物、価値が分からない物期限を決めて相続人で相談

「売る」に入れた物でも、相続放棄の判断が済んでいなければ売却は待ちます。売った代金は遺産の一部として記録し、分け方を話し合います。

家庭ごみは市区町村のルールで出す

環境省は、廃家電や粗大ごみなどの廃棄物は、住んでいる市区町村が案内するルールで処分するよう呼びかけています。分からないときは市区町村に問い合わせるよう案内しています。

粗大ごみの申込み方法、手数料、1回に出せる量は自治体ごとに違います。実家のある市区町村のホームページで「粗大ごみ」の案内を確認してください。遠方から通う場合は、収集日に立ち会えるかも段取りに入れます。

品目別の出し先一覧

品目主な出し先確認すること
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機家電リサイクル法による引取り(購入した小売店、買い替え先の店など)リサイクル料金と収集運搬料金
パソコンメーカーの回収、小型家電リサイクルの回収PCリサイクルマークの有無、データの消去
家具・寝具などの大きな物市区町村の粗大ごみ申込み方法と手数料
まだ使える家具・家電古物商の許可がある買取店許可の有無、買取額の明細
ガスボンベ、灯油、農薬などの危険物市区町村の案内に従う収集しない物の扱いと相談先

家電4品目は「家電リサイクル法」で処分する

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の対象です。粗大ごみとは別のルートで処分します。国民生活センターは、買い替えなら新しい製品を買う店に、処分だけなら処分する製品を買った店に引取りを頼むよう案内しています。

引き渡すときは、リサイクル料金と収集運搬料金がかかります(環境省)。リサイクル料金はメーカーと品目で異なり、家電製品協会の家電リサイクル券センターのサイトで、メーカー名や型名から調べられます。

料金を払うと家電リサイクル券が発行されます。券の番号で、メーカーに引き渡されたかを確認できます。買った店が分からないときは、市区町村の案内に従いましょう。

パソコンはメーカー回収か小型家電リサイクルで

パソコン3R推進協会によると、平成15年10月以降に販売された家庭向けパソコンには「PCリサイクルマーク」が付いています。マーク付きのパソコンは、新たな料金負担なしでメーカーが回収します。

マークのないパソコンは、回収再資源化料金がかかります。メーカーが倒産した物や自作のパソコンは、同協会が回収します。家電量販店や市区町村による小型家電リサイクルの回収も利用できます。

同協会は、ごみ箱を空にしたり初期化したりしても、データが復元できる場合があると説明しています。データは利用者の責任で消去する必要があり、専用ソフトや物理的な破壊がすすめられています。中に財産の手がかりがないか確かめてから消去しましょう。

7. 業者に頼むときの確認点|許可・見積り・契約

業者がたんすを運び出す様子を見守る男性

家財が多い、遠方で通えない、という場合は業者の手を借りることになります。ただし、遺品整理や不用品回収をめぐる相談は少なくありません。

データで見る|消費生活センターへの相談件数

国民生活センターが公表した、PIO-NET(全国の消費生活相談の情報網)の相談件数です。

年度遺品整理サービス年度不用品回収サービス
2013年度73件2018年度1,354件
2014年度109件2019年度1,457件
2015年度90件2020年度1,788件
2016年度114件2021年度2,231件
2017年度105件――

出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)、「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表)。集計の時期と対象が異なるため、二つの列は比べられません。

不用品回収の相談は、4年で約1.6倍に増えています(2,231件÷1,354件、当サイトで計算)。寄せられた事例には「見積りの2倍の料金を請求された」「残すよう頼んだ物を処分された」などがあります。

家庭ごみの回収には「一般廃棄物」の許可か委託が要る

環境省は、家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業許可」か、市区町村からの委託が必要だと説明しています。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できません。

許可・資格できること家庭の遺品の処分
一般廃棄物処理業の許可(市区町村長)家庭から出る廃棄物の収集・運搬など許可を出した市区町村の範囲で依頼できる
市区町村からの委託市区町村に代わって家庭ごみを収集依頼できる
産業廃棄物処理業の許可工場や企業の廃棄物の処理この許可だけでは回収できない
古物商の許可中古品の売買買取はできるが、ごみの回収はできない

見積りの段階で「ごみの収集・運搬は誰が行うか」と、その許可を出した市区町村を聞きましょう。許可業者の一覧は、市区町村のホームページや窓口で確かめられます。

見積りと契約で確かめること

国民生活センターは、2025年10月30日公表の見守り情報で、次の点を確かめるよう呼びかけています。

  • 複数の事業者から見積りを取り、契約内容と料金を比べる
  • 作業日、具体的な作業内容、料金、支払方法、解約料を確認する
  • 追加料金がかかる条件を、作業前に確認する
  • 買取を頼むときは「古物商許可証」などを確認する
  • 残す物と処分する物をはっきり分け、作業にはできるだけ立ち会う

消費者庁も、「定額パック」「追加費用一切なし」と広告しながら、処分費用などの名目で高い料金を求めた事業者について注意を呼びかけました(2022年6月1日)。広告の金額だけで決めず、見積書の内訳を見て判断します。

当日、見積りと違う料金を示されたら、作業の前に断ってかまいません。トラブルになったときは、消費者ホットライン188で最寄りの消費生活センターに相談できます。

立ち会えないときの工夫

遠方で立ち会えない場合は、残す物に色付きのテープを貼り、写真付きのリストを業者に渡します。作業の前後に写真を送ってもらうことも、契約の条件に入れておきましょう。鍵の受け渡し方法と返却の時期も書面で決めておきます。

8. 費用の考え方|誰が払うか・相続税・自治体の補助

遺品整理の費用は、家財の量、間取り、階数、搬出の経路、処分品の種類で大きく変わります。当サイトでは公的な統計が見当たらないため、相場の金額は載せていません。複数の見積りで比べてください。

費用を誰が負担するかは相続人で決める

片付け費用を誰が負担するかは、法律で一律に決まっていません。一人が立て替える場合は、領収書と作業の内訳を保管し、遺産分割のときに精算する方法を話し合っておきます。兄弟で負担が偏るときの考え方は相続人が複数いるときの実家にまとめています。

遺品整理の費用は相続税で差し引けるか

国税庁によると、相続税の計算で遺産から差し引ける債務は、亡くなった人が死亡したときに現に存在した債務で、確実と認められるものです。また、差し引ける葬式費用として、火葬・埋葬・納骨の費用や通夜の費用などが挙げられています。

国税庁のこれらの説明には、遺品整理の費用は挙がっていません。亡くなった後に相続人が業者と結ぶ片付けの契約は、死亡時にあった債務にも葬式費用にも当たらないと読むのが自然です(当サイトの読み方)。個別の扱いは税理士や税務署で確認してください。

家財の処分に使える自治体の補助の例

市区町村によっては、空き家の家財処分に補助を出しています。当サイトの市区ページに記載のある例を挙げます。いずれも「片付けだけ」に使える補助ではありません。

市制度・内容(当サイト市区ページの記載)主な条件
千葉県香取市空家家財道具等処分等補助金。最大10万円空き家バンクへの登録と、交付日から2年以上の登録継続など。令和8年度の受付は不明(2026年9月11日確認時点)
神奈川県秦野市家財整理や樹木剪定等の費用の3分の1、上限12万円空家バンクへの登録(2026年9月15日確認)
東京都八王子市空き家利活用促進整備補助金のスタートアップ整備。家財整理・処分等も対象。3分の2以内、上限25万円地域活性化施設として使うこと、マッチング事業への登録など
神奈川県横須賀市空き家解体費用助成。家具家財・残置物の処分は対象外解体の見積りは建物本体と家財処分を分けてもらう(2026年9月11日確認)

香取市・秦野市のように、空き家バンクへの登録が条件の補助は、片付けの契約を先に結ぶと使えないことがあります。申請の順番を市に確かめてから業者と契約しましょう。詳しくは香取市の空き家ページ、秦野市の空き家ページ、横須賀市の空き家ページをご覧ください。

9. 片付けの後|実家を売るか、持ち続けるかを決める

家財が片付くと、家の状態が見えてきます。雨漏りの跡や床の傷みは、家具を動かして初めて分かることもあります。このタイミングで、実家を売るか、持ち続けるか、解体するかを家族で話し合います。

家財を全部片付けてから売る必要はない

売却を考えているなら、家財をすべて処分する前に不動産会社に相談する方法もあります。家財を残したまま引き渡す条件で買い取る会社もあり、片付けの手間と費用を条件に含めて比べられます。

反対に、仲介で買主を探すなら、内覧に向けて家財を減らすほうが印象はよくなります。どちらが合うかは、売りたい時期、家の状態、片付けにかけられる時間で変わります。売却前の確認点は相続した実家を売る前のチェックリストで整理しています。

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持ち続けるなら管理の段取りを決める

すぐに売らない場合は、空き家としての管理が続きます。換気や通水、郵便物の整理、庭木の手入れを誰がどの頻度で行うかを決めましょう。管理の項目は空き家の管理チェックリストにまとめています。

解体を考える場合は、家財の処分が解体工事の費用に含まれるかを見積りで確かめます。注意点は相続した実家を解体する前に確認することにまとめています。

10. 遺品整理で迷ったときの相談先

遺品整理は、相続・税・ごみ・契約と論点が分かれます。迷ったら、論点ごとに相談先を選びましょう。

相談したいこと相談先
相続放棄・限定承認と、処分してよい物の範囲家庭裁判所の手続案内、弁護士、司法書士
遺言書の検認亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所
法務局に預けた遺言書の有無法務局(遺言書保管所)
相続税の申告、費用の扱い税務署、税理士
粗大ごみ・危険物の出し方、許可業者の確認実家のある市区町村の清掃担当課
業者との契約トラブル消費生活センター(消費者ホットライン188)
家財処分・空き家の補助市区町村の空き家担当課

【関連】地域ごとの制度と相談先を調べる

家財処分の補助や空き家の窓口は、実家のある市区町村で違います。1都3県の制度は、都県別のガイドから確認できます。

よくある質問

実家の遺品整理は、いつから始めればいいですか?

法律上の期限はありません。ただし、相続放棄や限定承認を考えるなら、相続の開始を知った時から3か月以内に判断が要ります。それまでは重要書類を探すことに絞り、価値のある物の処分は控えましょう。

相続放棄を考えていても、遺品を片付けてよいですか?

生ものを捨てる、施錠する、書類を探して保管するといった行為は、財産の価値を保つ範囲と考えられます。一方、貴金属を売る、家財をまとめて業者に引き取らせるといった行為は、相続を認めたとみなされるおそれがあります。迷う物は弁護士や司法書士に確認してください。

遺言書を見つけたら、その場で開けてもいいですか?

封のある遺言書は開けずに、家庭裁判所に検認を申し立てます。家庭裁判所の外で開封すると5万円以下の過料の対象です。公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言は検認がいりません。

冷蔵庫やテレビは粗大ごみに出せますか?

粗大ごみとは別のルートで処分します。エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象です。購入した店などに引取りを頼み、リサイクル料金と収集運搬料金を払います。料金は家電リサイクル券センターのサイトで調べられます。

遺品整理業者を選ぶとき、何を確認すればいいですか?

家庭ごみを運ぶ事業者が、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託を受けているかを確認します。そのうえで複数社から見積りを取り、作業内容、追加料金の条件、解約料を書面で確かめます。買取をする場合は古物商の許可も確認しましょう。

まとめ

実家の遺品整理は、相続人全員の財産を扱う作業です。最初に遺言書・通帳・権利証・契約書類を探し、次に形見分け、最後に処分という順で進めます。

相続放棄を考えているなら、価値のある物の処分は判断が済むまで控えます。遺言書は開封せず家庭裁判所の検認へ、法務局に預けていないかも確かめましょう。

ごみは市区町村のルールで出し、家電4品目とパソコンは専用の回収ルートを使います。業者に頼むなら、一般廃棄物の許可か委託の有無、見積りの内訳、追加料金の条件を確認してください。片付けが進んだら、実家を売るか持ち続けるかを家族で決めていきます。

一次情報・参考資料

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この記事を書いた人

株式会社アクセス・リンク代表取締役。相続と実家じまいの情報を専門に扱う「相続と実家じまいガイド」を運営しています。相続登記、空き家の売却・解体、墓じまい・改葬など、親の実家やお墓を引き継ぐ家族が直面する手続きを調べ、記事にまとめています。法務省・国税庁・自治体などの一次情報を原文で確かめ、1都3県を中心に市区町村ごとの補助制度や相談窓口を整理しています。士業ではないため個別の法律・税務相談には応じていませんが、次に何を確認し、誰に相談すればよいかが分かる情報をお届けします。

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