本ページはプロモーションを含みます。
実家の名義変更は、親が亡くなったあとか、親が元気なうちかで手続きも税金も変わります。亡くなったあとなら「相続登記」で、取得を知った日から3年以内の申請が義務です。元気なうちに変えるなら「贈与」か「売買」で、登録免許税は相続の5倍になり、贈与税や不動産取得税もかかります。まずどちらの場面かを分けて考えましょう。
この記事で分かること(法務省・法務局・国税庁・東京都の公式情報をもとに整理):
- 相続による名義変更と、生前の名義変更(贈与・売買)の違い
- 登録免許税・不動産取得税・贈与税の税率と、同じ実家での計算例
- 父の実家を母と子のどちらの名義にするかを考えるときの論点
- 自分で申請する場合と、司法書士に頼む場合の比較
- 名義変更のあとで売るときに、特例が使えるかどうかの分かれ目
- 1都3県の管轄法務局の例と、相談先の選び方
義務化の詳細は相続登記の義務化|いつから・期限3年・過料、書類の集め方は相続登記の必要書類にまとめています。この記事は「誰の名義に、いつ、どの方法で変えると、いくらかかるか」を比べることに重心を置きます。
1. 実家の名義変更は「相続」と「生前」の2つに分かれる

「実家の名義変更」と一口に言っても、法務局で行う登記の種類は場面によって違います。登記の目的はどれも「所有権移転」ですが、原因が「相続」「贈与」「売買」のどれかで、税率も必要書類も変わります。
検索でよく見かける記事も、相続の話と生前の話が混ざっています。読む前に、自分の家がどの場面に当たるかを確かめておくと、必要な情報だけを拾えます。
| 場面 | 登記の原因 | 主な税金 | 期限・義務 |
|---|---|---|---|
| 親が亡くなり、相続人が引き継ぐ | 相続(遺産分割・遺言を含む) | 登録免許税0.4%、相続税(基礎控除を超える場合) | 取得を知った日から3年以内に申請する義務 |
| 親が元気なうちに子へ無償で渡す | 贈与 | 登録免許税2%、不動産取得税、贈与税 | 登記の期限はないが、贈与税の申告は翌年3月15日まで |
| 親が元気なうちに子へ有償で渡す | 売買 | 登録免許税(土地は軽減で1.5%)、不動産取得税、親に譲渡所得税 | 登記の期限はないが、代金の支払いが必要 |
| 夫が元気なうちに妻へ渡す | 贈与 | 登録免許税2%、不動産取得税、贈与税(配偶者控除あり) | 婚姻20年以上なら最高2,000万円の控除を検討 |
出典:国税庁 No.7191・No.4452、法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」。
「名義変更」と「相続登記」は同じ意味か
親が亡くなったあとの名義変更は、法律上は「相続による所有権移転登記」で、一般に相続登記と呼ばれます。つまり、相続の場面では「名義変更=相続登記」と考えて差し支えありません。
一方、親が生きているうちの名義変更は相続登記ではありません。贈与や売買の契約を結び、その契約を原因として登記します。親の意思と署名が必要になる点が、相続との大きな違いです。
固定資産税や公共料金の名義とは別もの
登記を変えても、固定資産税の通知先や公共料金の契約者は自動では変わりません。固定資産税の届出は実家の固定資産税は誰が払う?で解説しています。
2. 親が亡くなったあとの名義変更|相続登記の要点
相続による名義変更の流れは、遺言書の有無の確認、相続人と財産の確認、遺産分割、書類の収集、法務局への申請の順です。この流れの詳細は既存の記事で解説しているため、ここでは名義変更を考えるうえで外せない3点に絞ります。
要点1:3年以内の申請が法律上の義務
相続登記は令和6年4月1日から義務になりました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になり得ます。
令和6年4月1日より前に相続した実家でも、登記が済んでいなければ対象です。この場合の期限は令和9年3月31日です。祖父母名義のまま残っている実家も、早めに確認しておきましょう。
要点2:分け方が決まらないときは相続人申告登記
3年以内に遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記という手続きがあります。相続人の1人が単独で申し出ることができ、申請義務を果たしたものとみなされます。ただし、名義そのものは移らないため、売却や担保設定はできません。
遺産分割が成立したら、その日から3年以内に分割の内容に沿った登記をする必要があります。協議書の書き方は遺産分割協議書と不動産で見本つきで解説しています。
要点3:登録免許税は評価額の0.4%
相続による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の価額の1,000分の4(0.4%)です。ここでいう価額は、市区町村の固定資産課税台帳に登録された価格が原則です。売却の査定額や路線価ではありません。
土地については、令和9年3月31日までの免税措置が2つあります。1つは、課税標準となる価額が100万円以下の土地の相続登記です。もう1つは、相続で土地を取得した人が登記をしないまま亡くなった場合に、その人を名義人にする登記です。
2つ目は、祖父名義のまま父が亡くなったような「数次相続」で関係します。祖父から父への登記の分が免税になる可能性があるため、古い名義が残る実家では申請前に法務局か司法書士へ確認してください。建物は免税の対象ではない点にも注意が必要です。
3. 親が元気なうちに名義を変える3つの方法
親が存命中に実家の名義を子へ移す方法は、主に贈与と売買です。もう1つ、名義はすぐ変えずに「遺言で行き先を決めておく」方法もあります。それぞれの特徴を表で比べます。
| 方法 | 名義が変わる時期 | 主な費用 | 向いているケースの例 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 贈与 | 契約と登記のとき | 登録免許税2%、不動産取得税、贈与税 | 相続時精算課税や配偶者控除の要件に合う | 贈与税が高額になりやすい。親の意思能力が必要 |
| 売買 | 契約と登記のとき | 代金、登録免許税、不動産取得税、親の譲渡所得税 | 子に代金を払う資金がある | 相場より安い価格だと差額に贈与税がかかることがある |
| 遺言(遺贈・相続させる旨) | 親が亡くなったあと | 登録免許税0.4%(相続人が取得する場合) | 今は名義を動かす必要がない | 公正証書遺言なら形式の不備を避けやすい。書き直しが可能 |
出典:国税庁 No.7191、No.4402、No.4602。遺言で相続人が取得する場合の税率は、表の「相続」の区分(相続人に対する遺贈を含む)によります。
親の判断力が落ちてからでは贈与も売買もできない
民法第3条の2は、意思能力がない状態で行った法律行為を無効としています。贈与も売買も契約なので、親が内容を理解して判断できることが前提です。
判断力が落ちてからは、成年後見制度を使うなど別の手続きが必要になります。生前の名義変更を考えるなら、親が元気なうちに家族で話し合い、専門家に相談しておくことが大切です。
相場より低い価格の売買には贈与税がかかることがある
親子間の売買で、通常の取引価格より著しく安い価格にすると、差額が贈与とみなされることがあります。国税庁 No.4602でも、個人の間の対価を伴う取引で取得した土地や家屋は、通常の取引価額で評価するとされています。
価格の決め方に迷う場合は、不動産会社の査定や不動産鑑定を参考にし、税理士に確認してから契約するのが安全です。
4. 登録免許税と不動産取得税|方法別の税率と計算例

名義を変えるときにかかる税金のうち、どの方法でも共通するのが登録免許税です。生前の名義変更では、これに不動産取得税が加わります。まず税率を比べます。
| 登記の原因 | 土地の登録免許税 | 建物の登録免許税 | 不動産取得税 |
|---|---|---|---|
| 相続 | 0.4% | 0.4% | かからない |
| 贈与 | 2% | 2% | かかる(住宅・土地は3%、宅地は課税標準が2分の1) |
| 売買 | 2%(令和11年3月31日までは1.5%) | 2%(自分が住む住宅用家屋で要件を満たせば0.3%) | かかる(同上) |
| 配偶者居住権の設定 | - | 0.2% | - |
出典:国税庁 No.7191「登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等)、東京都主税局「不動産取得税」。不動産取得税の税率3%と宅地の2分の1特例は、令和9年3月31日までの取得が対象です。
計算例:同じ実家を相続・贈与・売買で名義変更した場合
前提は次のとおりです。実家の固定資産税評価額を土地1,500万円、建物300万円と仮定します。免税措置や不動産取得税の軽減制度は使わない場合の、軽減前の目安です。
| 項目 | 相続 | 贈与 | 売買 |
|---|---|---|---|
| 土地の登録免許税 | 1,500万円×0.4%=6万円 | 1,500万円×2%=30万円 | 1,500万円×1.5%=22.5万円 |
| 建物の登録免許税 | 300万円×0.4%=1.2万円 | 300万円×2%=6万円 | 300万円×2%=6万円 |
| 登録免許税の合計 | 7.2万円 | 36万円 | 28.5万円 |
| 土地の不動産取得税 | 0円 | 1,500万円×1/2×3%=22.5万円 | 同左22.5万円 |
| 建物の不動産取得税 | 0円 | 300万円×3%=9万円 | 同左9万円 |
| 税金の合計(贈与税・譲渡所得税を除く) | 7.2万円 | 67.5万円 | 60万円 |
この前提では、相続なら7.2万円、贈与なら67.5万円です。贈与の場合は、このほかに後で説明する贈与税がかかります。売買の場合は代金の支払いが必要で、売った親には譲渡所得の税金がかかることがあります。
建物の不動産取得税には、中古住宅を取得したときの軽減制度があります。土地にも住宅の敷地としての軽減があります。要件に当てはまれば上の金額より下がるため、実家のある都道府県の税事務所に確認してください。
評価額は「固定資産税の納税通知書」で確かめる
登録免許税と不動産取得税の計算には、固定資産課税台帳の価格を使います。毎年4〜6月ごろに届く固定資産税の納税通知書に添付された課税明細書で確認できます。手元にない場合は、市区町村で固定資産評価証明書を取ります。
課税明細書には「価格」「課税標準額」など似た欄が並びます。登録免許税の計算に使うのは、原則として「価格(評価額)」の欄です。住宅用地の特例で下がった「課税標準額」ではない点に注意してください。
5. 贈与税|暦年課税・相続時精算課税・夫婦間の配偶者控除
生前に贈与で名義を変えると、受け取った人に贈与税がかかります。贈与税の計算方法は「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つです。夫婦間には、婚姻20年以上で使える配偶者控除もあります。
贈与税の計算に使う評価額は登録免許税と違う
贈与税の計算では、相続税と同じ評価方法を使います。土地は、路線価のある地域では路線価方式、ない地域では固定資産税評価額に倍率をかける倍率方式です。建物は固定資産税評価額と同じ額です。
そのため、登録免許税で使う価格と贈与税で使う価格は一致しないことがあります。
3つの方法の比較
| 方法 | 控除 | 税率 | 主な要件 | 相続のときの扱い |
|---|---|---|---|---|
| 暦年課税 | 年110万円(基礎控除) | 10〜55%(親から18歳以上の子は特例税率) | なし | 相続開始前の一定期間の贈与は相続財産に加算 |
| 相続時精算課税 | 年110万円+累計2,500万円 | 控除を超えた部分に一律20% | 贈与者は60歳以上の父母・祖父母、受贈者は18歳以上の子・孫 | 贈与財産を相続財産に足して相続税を計算 |
| 配偶者控除(暦年課税の特例) | 最高2,000万円+基礎控除110万円 | 控除を超えた部分に一般税率 | 婚姻期間20年以上、居住用不動産、翌年3月15日までに住む | 控除額に相当する部分は相続財産に加算しない |
出典:国税庁 No.4402・4408・4103・4452・4161(令和8年4月1日現在法令等)。
計算例:実家を父から子へ贈与した場合
前提は次のとおりです。贈与税で使う評価額を、土地1,800万円(路線価で評価したと仮定)、建物300万円とします。合計2,100万円です。受け取る子は贈与の年の1月1日に18歳以上で、ほかの贈与はないものとします。
| 方法 | 計算 | 贈与税 |
|---|---|---|
| 暦年課税(特例税率) | (2,100万円−110万円)×45%−265万円 | 630.5万円 |
| 相続時精算課税 | 2,100万円−110万円=1,990万円。特別控除2,500万円の範囲内 | 0円(特別控除の残りは510万円) |
暦年課税では、この前提で630.5万円の贈与税になります。1,000万円を超える財産を一度に渡すと、税額が大きくなりやすいことが分かります。
相続時精算課税を選べば、この時点の贈与税は0円です。ただし、父が亡くなったときに、贈与時の価額から基礎控除を引いた額を相続財産に足して相続税を計算します。相続税が0円になるかどうかは、遺産全体の額と相続人の数で決まります。
また、相続時精算課税は一度選ぶと、その親からの贈与について暦年課税に戻れません。贈与税が0円でも、期限内の申告と「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要です。
相続時精算課税で実家をもらうときの注意
国税庁 No.4124によると、相続時精算課税の贈与で取得した宅地等は、小規模宅地等の特例の対象外です。この特例は、亡くなった人が住んでいた宅地を一定の親族が相続したとき、330㎡まで評価額を80%減らせる制度です。
実家の土地の評価額が高い地域では、相続で引き継いだほうが相続税が少なくなる場合もあります。どちらが有利かは家族の状況で変わるため、贈与の前に税理士に試算を頼みましょう。
計算例:夫から妻へ実家を贈与した場合(婚姻20年以上)
同じく評価額2,100万円の実家を、婚姻25年の夫から妻へ贈与したと仮定します。配偶者控除2,000万円と基礎控除110万円を引くと、課税される額はありません。贈与税は0円です。
ただし、贈与税が0円でも申告が必要です。戸籍謄本や戸籍の附票の写しなどを添えて申告します。登録免許税2%と不動産取得税は配偶者控除と関係なくかかります。東京都主税局も、配偶者控除や相続時精算課税を使っても不動産取得税の対象になると案内しています。
民法第903条第4項は、婚姻20年以上の夫婦間の住まいの贈与について定めています。遺産分割で持ち戻さない意思があったと推定されます。妻が相続で受け取る分が減りにくくなる仕組みです。
6. 父の実家を母と子のどちらの名義にするか
父が亡くなり、母と子が相続人になったときに迷うのが「実家を誰の名義にするか」です。上位の記事でも多く取り上げられる論点ですが、正解は家族ごとに違います。比べるときの観点を整理します。
| 観点 | 母の名義にする | 子の名義にする | 子が所有し母が配偶者居住権 |
|---|---|---|---|
| 今回の相続税 | 配偶者の税額軽減(1億6,000万円か法定相続分まで)を使える | 配偶者の税額軽減は使えない | 配偶者居住権の部分は母が取得した財産として扱う |
| 母が亡くなったとき | もう一度相続登記と登録免許税が必要 | 実家については登記が不要 | 配偶者居住権は消滅し、子が完全な所有者に |
| 母の住まいの安定 | 母が所有者なので安定 | 子の判断で売却される可能性がある | 居住権の登記で第三者にも主張できる |
| 売却のしやすさ | 母の判断力が落ちると売りにくい | 子の判断で売れる | 居住権があるうちは売りにくい |
出典:国税庁 No.4158・No.7191、法務省の配偶者居住権の解説ページ。
「二次相続」まで見て決める
母の名義にすると、配偶者の税額軽減で今回の相続税を抑えやすくなります。一方、母が亡くなったときの相続(二次相続)では、配偶者がいないため、この軽減は使えません。
また、名義変更の手間も2回になります。母の相続で再び戸籍を集め、0.4%の登録免許税を払って子へ登記します。今回の税金だけでなく、母の相続までの合計で比べることが大切です。
配偶者居住権という選択肢
配偶者居住権は、令和2年4月1日に施行された制度です。夫が亡くなったとき、妻がその家に無償で住み続ける権利を、遺言や遺産分割で取得できます。所有権そのものより低い価額で住まいを確保できるのが特徴です。
配偶者居住権は、登記をすると第三者にも主張できます。登録免許税は建物の価額の0.2%です。たとえば建物の評価額が300万円なら、6,000円という計算になります。
ただし、配偶者居住権は他人に譲ったり、所有者に無断で貸したりできません。母が施設に入ることになった場合の扱いなども含め、設定する前に弁護士や司法書士に相談してください。
7. 自分で申請するか、司法書士に頼むか

名義変更の登記は、本人が自分で申請することもできます。法務局のホームページには、相続・売買・贈与ごとの申請書の様式と記載例が載っています。ただし、ケースによって難しさが大きく違います。
申請の方法は3つ
法務局への申請は、窓口に持参する方法、郵送する方法、オンラインで申請する方法があります。郵送する場合は、封筒の表に「不動産登記申請書在中」と書き、書留郵便で送ります。
書面申請の場合、申請書はA4の用紙で、添付書類と一緒に左とじにします。鉛筆は使えません。住民票の写しは、マイナンバーの記載がないものを添付します。添付書類は原本が原則ですが、コピーに「原本に相違ありません」と書けば原本を返してもらえる書類もあります。
| 比較の観点 | 自分で申請 | 司法書士に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 登録免許税と書類の実費だけ | 上記に加えて報酬(事務所ごとに異なる) |
| 時間 | 平日に法務局や役所へ行く時間が必要 | 書類集めの多くを任せられる |
| 向くケース | 相続人が少なく、戸籍がそろいやすい。不動産が1〜2筆 | 数次相続、相続人が多い、生前贈与や売買の契約書づくりが必要 |
| やり直しのリスク | 不備があれば補正や取り下げが必要 | 専門家が確認してから申請 |
出典:法務局「不動産登記の申請書様式について」(2026年1月7日更新)。司法書士の報酬は自由に決められており、公的な統計で示せる相場はないため、見積もりで確認してください。
自分で申請しやすいケース、頼んだほうがよいケース
相続人が配偶者と子2人程度で、遺産分割がまとまっていれば、自分で申請する人もいます。申請書類の作成で分からない点は、管轄の法務局に相談できると法務局も案内しています。
一方、生前の贈与や売買は、登記原因証明情報や契約書を自分で作る必要があります。税金の判断も絡むため、司法書士と税理士に相談しながら進めるほうが安全です。祖父母名義のまま残っている場合や、相続人に連絡の取れない人がいる場合も、専門家に頼むことを考えましょう。
登記が終わったら確認すること
登記が完了すると、新しい名義人に登記識別情報が通知されます。これは、昔の「権利証」に当たる大切な情報です。他人に見られないように保管してください。
登記事項証明書を取り、所有者の欄が正しく変わっているかも確かめます。手数料は書面請求で1通600円、オンライン請求なら郵送受取520円、窓口受取490円です。金額は当サイトの佐倉市ページで確認したものです。
名義人になったあとに引っ越した場合は、住所の変更登記も必要です。令和8年4月1日から、住所や氏名の変更日から2年以内の変更登記が義務になりました。
8. 名義変更をしないとどうなるか
相続の場面で名義変更をしないと、過料の対象になるだけではありません。実家を売る、貸す、建て替えるといった次の行動がとれなくなります。主な影響を表にまとめます。
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 過料 | 正当な理由なく3年以内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になり得る |
| 売却できない | 買主へ名義を移す前に、相続人の名義にする必要がある |
| 担保にできない | 建て替えやリフォームのローンで実家を担保に入れられない |
| 相続人が増える | 放置するうちに相続人が亡くなると、その子どもたちが相続人に加わり、話し合いが難しくなる |
出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」。過料の手続きや「正当な理由」の例は相続登記の義務化の記事で詳しく解説しています。
兄弟の共有名義を解消する方法は共有名義の解消方法で取り上げています。
生前の名義変更に期限はありませんが、親が亡くなればその時点から相続登記の3年の期限が始まります。
9. 名義変更のあとで実家を売る場合の注意
実家の名義変更を考える人の中には、いずれ売ることを見込んでいる人も多いでしょう。名義を変えた方法によって、売ったときに使える税金の特例が変わります。売る可能性があるなら、名義変更の前に確認しておきたい点です。
空き家の3,000万円控除は「相続」で取得した家が対象
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例は、相続または遺贈で取得した家と敷地が対象です。要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。令和9年12月31日までの売却が対象です。
この特例は、生前に贈与で受け取った家には使えません。対象は、親が1人で住んでいた昭和56年5月31日以前の家などです。いずれ売る見込みなら、贈与より相続が有利な場合があります。令和6年以後の譲渡で、相続人が3人以上の場合は上限が2,000万円になります。要件は空き家の3,000万円控除で解説しています。
親が住んでいるうちに売るなら親の特例も
親が住んでいる実家を、親の名義のまま売る方法もあります。マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除は、売った本人が住んでいた家が対象です。住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、対象になり得ます。
子に名義を移してから売ると、子はその家に住んでいないため、この特例は使えません。施設への入居などで親が実家を離れる場合は、名義を変える前に売り方を検討しましょう。
取得費と取得の時期は親から引き継ぐ
相続や贈与で取得した家を売るとき、取得費は親が買ったときの代金をもとに計算します。取得の時期も親から引き継ぎます。親が買ったときの契約書は、名義変更の書類と一緒に保管しておきましょう。
取得費が分からない場合は、売った金額の5%を取得費にできます。ただし、譲渡所得が大きくなりやすいため、契約書や通帳を探す価値があります。売却の手順と税金の計算例は相続した実家の売却にまとめています。
名義変更が済み、売却を考え始めた段階なら、査定で価格の見込みをつかんでおくと判断しやすくなります。買取と仲介のどちらが合うかも、査定額を並べると見えてきます。
PR|相続した実家の売却を比べたい方へ
買取と仲介は、手取り額と売れるまでの期間の考え方が違います。相続人の合意と名義の状況を確認してから、条件を比べてください。
早く手放したい・古い家のまま売りたい場合(買取)
ラクウルの不動産売却相談の案内を見る
相場に近い価格で売りたい場合(仲介)※東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の物件が対象
ミライアスのスマート仲介で売却査定の案内を確認する
申し込み後は、内容確認の電話がかかってくることがあります。
10. 相談先と、1都3県の管轄法務局の例

名義変更は、登記、税金、家族の合意が絡む手続きです。この記事は一般的な制度の説明で、個別の判断を示すものではありません。迷ったら、悩みの種類に合わせて相談先を選んでください。
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 申請書の書き方、必要書類、管轄 | 実家の所在地を管轄する法務局(手続案内) |
| 登記の代理、贈与・売買の契約書づくり | 司法書士 |
| 贈与税・相続税の試算、精算課税を選ぶかどうか | 税理士、税務署 |
| 不動産取得税の軽減 | 実家のある都道府県の税事務所 |
| 兄弟で話がまとまらない、遺留分の心配 | 弁護士、家庭裁判所 |
生前贈与と遺留分
民法第1044条第3項により、相続人に対する生計の資本としての贈与は、相続開始前10年間のものが遺留分の計算に入ります。実家を1人の子に生前贈与すると、ほかの兄弟から遺留分を請求される可能性があります。兄弟がいる場合は、贈与の前に家族で話し合っておくことが大切です。
1都3県の管轄法務局の例
登記の申請先は、実家の所在地を管轄する法務局です。当サイトの市区ページで、公式情報をもとに確認した管轄の例を示します。
| 実家の所在地 | 管轄の法務局 | 所在地・電話 |
|---|---|---|
| 練馬区 | 東京法務局 練馬出張所 | 練馬区春日町5丁目35番33号、03-5971-3681 |
| 越谷市 | さいたま地方法務局 越谷支局 | 越谷市東越谷9丁目2番地9、048-966-1321 |
| 柏市 | 千葉地方法務局 柏支局 | 柏市柏6丁目10番25号、04-7167-3309 |
| 藤沢市・茅ヶ崎市 | 横浜地方法務局 湘南支局 | 藤沢市辻堂神台2丁目2番3号、0466-35-4620 |
| 佐倉市 | 千葉地方法務局 佐倉支局 | 佐倉市表町1丁目20番地11、043-484-1222 |
出典:当サイトの各市区ページ(法務局の公式案内で確認)。藤沢市と茅ヶ崎市のように、1つの法務局が複数の市を管轄することもあります。ほかの地域は法務局ホームページの「管轄のご案内」で確認できます。
相談の前に、登記事項証明書、固定資産税の課税明細書、親の戸籍、遺言書の有無をそろえておくと、話が早く進みます。生前の名義変更なら、親の年齢と健康状態、ほかの家族の意向もメモしておきましょう。
【関連】地域ごとの制度と相談先を調べる
管轄の法務局や、空き家・解体の補助制度は、実家のある市区町村で違います。1都3県の制度は、都県別のガイドから確認できます。
- 東京都の相続と空き家|市区別の制度と相談先ガイド
- 神奈川県の相続と空き家|市区別の制度と相談先ガイド
- 埼玉県の相続と空き家|市区別の制度と相談先ガイド
- 千葉県の相続と空き家|市区別の制度と相談先ガイド
- 練馬区の空き家|相続後の売却・解体補助と相談先
- 越谷市の空き家|相続後の売却・解体補助と相談先
- 柏市の空き家|相続後の売却・制度と相談先
- 藤沢市の空き家|相続後の売却・制度と相談先
よくある質問
実家の名義変更にかかる費用はいくらですか?
相続なら、登録免許税は固定資産税評価額の0.4%です。評価額が合計1,800万円なら7.2万円という計算になります。このほか戸籍などの実費がかかり、司法書士に頼む場合は報酬が加わります。
親が元気なうちに実家の名義を子に変えられますか?
贈与か売買で変えられます。ただし登録免許税は2%(売買の土地は1.5%)で、不動産取得税や贈与税もかかります。親が内容を理解して判断できることが前提なので、早めに家族と専門家で話し合いましょう。
実家の名義変更は自分でできますか?
できます。法務局のホームページに申請書の様式と記載例があり、窓口・郵送・オンラインで申請できます。数次相続や生前贈与のように書類が複雑な場合は、司法書士への依頼を検討してください。
父が亡くなったら、実家は母と子のどちらの名義にすべきですか?
家族の状況で変わるため、一律の正解はありません。母の名義なら配偶者の税額軽減を使えますが、母の相続でもう一度登記が必要です。母の相続まで見通して、税理士や司法書士に試算を頼むと判断しやすくなります。
実家の名義変更をしないとどうなりますか?
相続の場合、取得を知った日から3年以内の申請が義務で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になり得ます。名義が親のままでは売却や担保設定もできません。分け方が決まらないときは相続人申告登記を使えます。
まとめ
実家の名義変更は、親が亡くなったあとの「相続登記」と、親が元気なうちの「贈与・売買」に分かれます。相続なら登録免許税は0.4%で、3年以内の申請が義務です。
生前の名義変更は、登録免許税が2%(売買の土地は1.5%)になり、不動産取得税と贈与税も加わります。精算課税や配偶者控除で贈与税を抑えられる場合もあります。一方で、小規模宅地等の特例や空き家の3,000万円控除が使えなくなることがあります。
父の実家を母と子のどちらの名義にするかは、母の相続まで含めて比べます。迷ったら、法務局の手続案内、司法書士、税理士に相談し、家族で合意してから進めましょう。
一次情報・参考資料
- 国税庁 タックスアンサーNo.7191「登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等) 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4402「贈与税がかかる場合」(令和8年4月1日現在法令等) 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4103「相続時精算課税の選択」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4452「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4161「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4602「土地家屋の評価」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4158「配偶者の税額の軽減」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.4124「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.3302「マイホームを売ったときの特例」 確認日:2026-10-08
- 国税庁 タックスアンサーNo.3270「相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」 確認日:2026-10-08
- 東京都主税局「不動産取得税」 確認日:2026-10-08
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」 確認日:2026-10-08
- 法務省「残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。」 確認日:2026-10-08
- 法務局「不動産登記の申請書様式について」(2026年1月7日更新) 確認日:2026-10-08
- 法務局「登記されている住所・氏名に変更があった方へ」(2026年4月22日更新) 確認日:2026-10-08
- e-Gov法令検索「民法」第3条の2・第903条・第1042条・第1044条 確認日:2026-10-08
- 管轄法務局と証明書の手数料:当サイトの練馬区・越谷市・柏市・藤沢市・茅ヶ崎市・佐倉市ページ(各ページに確認日を記載)
