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結論から言うと、借地権は相続できます。相続人が引き継ぐだけなら、地主の承諾は原則いりません。承諾料や名義変更料を払う法律上の義務もありません。
やることは、建物の相続登記、地主への連絡、契約内容の確認の3つです。土地は地主のものなので、土地の名義変更はしません。
一方で、相続した後に第三者へ売るときは、原則として地主の承諾が必要です。「相続」と「売却」で扱いが変わる点が、借地の実家でいちばん混同されやすいところです。
この記事では、民法と借地借家法の条文、国税庁のタックスアンサー、裁判所の案内をもとに、次の順で整理します。
- 借地権の種類と、旧借地法の契約かどうかの見分け方
- 相続手続きの7ステップと、建物の相続登記の費用
- 兄弟で相続するときの分け方
- 相続税の評価と、売ったときの税金
- 相続後の5つの選択肢と、よくあるトラブルの防ぎ方
1. 借地権とは|「建物は親名義、土地は他人名義」の正体
親が亡くなり登記事項証明書を取ると、建物は親名義でも、土地の名義が別の人ということがあります。この場合、親は土地を借りて家を建てていたことになります。
この「建物を持つために土地を借りる権利」が借地権です。国税庁は、借地権を「建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権」と説明しています(借地借家法2条1号)。
実家が借地かどうかは、次の資料で確かめます。
- 土地と建物それぞれの登記事項証明書(所有者が違うか)
- 土地賃貸借契約書、更新の覚書
- 地代の領収書、通帳の振込記録
- 固定資産税の納税通知書(土地の分が親あてに来ていないか)
借地権は土地の登記記録に載っていないことが多い権利です。借地借家法10条は、借地権の登記がなくても、土地の上に登記された建物を持っていれば第三者に対抗できると定めています。土地の登記だけ見て「借地権はない」と決めないでください。
借地権の種類|旧借地法か、借地借家法か
借地権のルールは、契約した時期で変わります。いまの借地借家法は平成4年(1992年)8月に施行されました。それより前の契約は、旧借地法の時代に結ばれたものです。
借地借家法の附則6条は、施行前に設定された借地権の契約の更新について「なお従前の例による」と定めています。つまり、古い契約の更新は、今も旧借地法の考え方で扱われます。
| 種類 | 主な特徴 | 相続のときの注意 |
|---|---|---|
| 旧借地法の借地権(1992年7月以前の契約) | 更新は旧法の例による(附則6条) | 新しい契約書に署名すると条件が変わることがある |
| 普通借地権(借地借家法) | 存続期間30年以上。最初の更新は20年、その後は10年(3条・4条) | 期間と次の更新時期を確認する |
| 定期借地権 | 存続期間50年以上。更新なし、建物買取請求なし。書面で契約(22条) | 期間満了で土地を返す前提で計画する |
国税庁は借地権を5種類に分けています。上の3つのほかに、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権があります。住宅の実家で多いのは、旧借地法の借地権か普通借地権です。
データで見る|借地に建つ持ち家は全国で約63万戸
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の一戸建・長屋建の持ち家は2,739万5,700戸です。このうち敷地が借地のものは62万9,900戸で、約2.3%にあたります。
借地の持ち家を、敷地を取得した時期で分けると次のとおりです。
| 敷地の取得時期 | 借地の持ち家 | 借地全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 1950年以前 | 103,600戸 | 16.4% |
| 1951〜1970年 | 97,600戸 | 15.5% |
| 1971〜1980年 | 70,900戸 | 11.3% |
| 1981〜1990年 | 54,300戸 | 8.6% |
| 1991年以降 | 303,500戸 | 48.2% |
1990年以前に取得したものだけで32万6,400戸、借地全体の約52%です。いずれも借地借家法の施行より前です。相続で引き継ぐ借地には、旧借地法の時代の契約が多く含まれていると考えられます(推計値からの見立てです)。
また、1950年以前に敷地を取得した持ち家129万1,100戸のうち、借地は約8.0%でした。古い家ほど借地の割合が高い傾向です。親や祖父母の代から続く実家は、契約書がない、地主も代替わりしている、ということが珍しくありません。
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」第182表(e-Stat)。標本調査に基づく推計値です。割合は当サイトが計算しました。
2. 借地権は相続できる|地主の承諾・名義変更料は原則不要

民法896条により、相続人は、亡くなった人の財産に属した権利と義務をそのまま引き継ぎます。借地権もこれに含まれます。東京家庭裁判所の遺産目録の記載例でも、借地権は遺産として扱われています。
民法612条は、賃借権を「譲り渡す」ときに地主の承諾を求めています。相続は譲渡ではないため、相続で引き継ぐだけなら承諾は原則いりません。
そのため、相続を理由とする承諾料や名義書換料を、当然に払う法律上の根拠はありません。地主から求められても、その場で払う約束はしないでください。契約書に特別な定めがないかを確認し、必要なら弁護士に相談します。
遺贈や、相続人以外が引き継ぐときは別
扱いが変わるのは、遺言で相続人以外の人に借地権を遺贈する場合です。これは権利を譲り渡すことにあたるため、原則として地主の承諾が必要です。
相続人に対する遺贈や、遺言の書き方によっては判断が分かれることもあります。遺言書がある場合は、文言を専門家に確認してから地主へ連絡しましょう。遺言書の扱いは遺言書を見つけたときにすることで整理しています。
地主から「返してほしい」と言われたとき
相続をきっかけに、地主から土地の返還を求められることがあります。契約期間中であれば、相続を理由に借地権が消えることはありません。
期間満了のときに地主が更新を断るには、正当な事由が必要です(借地借家法6条)。土地を使う必要性や、それまでの経過、立退料などの申出を考えて判断されます。
返還を求められたら、すぐに応じるか断るかを決めず、まず契約の期間と更新の時期を確認します。そのうえで、返す場合の条件(建物の扱い、地代の精算、立退料の有無)を話し合います。
3. 借地権の相続手続き|7つのステップ

借地の実家を相続したときの流れを、期限のあるものから並べます。
| 順番 | やること | 期限・目安 |
|---|---|---|
| ① | 契約書・登記・地代の支払状況を確認する | 亡くなった直後から |
| ② | 相続人を確定し、遺言書の有無を調べる | 早めに |
| ③ | 相続するか放棄するかを決める | 相続を知ってから3か月以内 |
| ④ | 遺産分割協議で、借地権と建物を誰が引き継ぐか決める | 期限なし(登記と申告の期限に注意) |
| ⑤ | 建物の相続登記をする | 取得を知った日から3年以内 |
| ⑥ | 地主に相続したことを書面で伝える | 地代の支払日の前に |
| ⑦ | 必要なら相続税を申告する | 相続を知った日の翌日から10か月以内 |
相続放棄は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ申し立てます。費用は申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手です。放棄すると、借地権も建物もまとめて手放すことになります。詳しくは相続放棄を考えるときの実家の扱いをご覧ください。
建物の相続登記と登録免許税
相続登記は令和6年4月1日から義務になりました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請します。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象です。令和6年4月1日より前に相続した不動産は、令和9年3月31日までが期限です。
借地の場合、登記するのは建物だけです。登録免許税は、建物の固定資産税評価額に1,000分の4(0.4%)を掛けて計算します。
たとえば建物の評価額が200万円なら、200万円×0.4%で8,000円です。古い木造の家は評価額が低いことが多く、税額も小さくなりがちです。
なお、評価額100万円以下の不動産の登録免許税を免除する措置は、国税庁の案内では「土地」が対象です。建物には使えないので注意してください。
建物が未登記、増築部分が未登記、登記名義が祖父母のまま、という場合は手続きが変わります。法務局の手続案内か司法書士に相談しましょう。必要書類は相続登記の必要書類、期限は相続登記の義務化と期限にまとめています。
地主への連絡で伝えること
承諾が不要でも、連絡はしておきます。地代の振込先や今後の通知先を確かめるためです。最初の書面には、次の5点を入れると話が早く進みます。
- 借地人が亡くなったことと、亡くなった日
- 相続人(決まっていれば借地権を引き継ぐ人)の名前と連絡先
- 地代を引き続き払うことと、支払い方法の確認
- 契約書の写しがあれば見せてほしいこと
- 今後の方針は家族で相談中であること
売却や解体の方針が決まっていない段階で、条件まで約束する必要はありません。電話で話した内容も、日付と要点をメモに残しておきます。
契約書が見つからないとき
古い借地では、契約書がない、口約束だった、ということもあります。その場合は次の順で事実を集めます。
- 土地・建物の登記事項証明書を取り、所有者と建物の名義を確認する
- 通帳、領収書、確定申告書の控えから、地代の額と支払先を確認する
- 地主に、借地の範囲・地代・期間・更新の条件を書面で確認する
- 双方の認識が合った点をメモにまとめる
地主から新しい契約書を示されたら、内容を確かめずに署名しないでください。単なる再発行なのか、期間や地代、更新の条件が変わるのかで意味がまったく違います。旧借地法の契約が借地借家法の定期借地権に変わるような内容なら、特に慎重な確認が必要です。
4. 兄弟で相続するとき|共有にするか、一人が引き継ぐか

相続人が複数いる場合、借地権と建物を誰が引き継ぐかを遺産分割協議で決めます。遺産分割で一人が引き継ぐことも相続による承継なので、地主の承諾は原則いりません。
分け方は大きく3つです。
| 分け方 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 一人が引き継ぐ(代償分割) | 住む人が借地権と建物を取得し、ほかの兄弟にお金を払う | 誰かが住み続ける |
| 売って分ける(換価分割) | 地主の承諾を得て売り、代金を分ける | 誰も住まない |
| 共有にする | 持分に応じて兄弟で持つ | 方針がまだ決まらない |
共有はいったん話がまとまったように見えますが、後で動きにくくなります。売るにも、建て替えるにも、共有者全員の足並みがそろわなければ進みません。地主から見ても、連絡先や地代の窓口が分かれて手間が増えます。
共有にする場合でも、地代を誰が払い、地主との連絡を誰が担うかは決めておきましょう。分け方の書き方は遺産分割協議書と実家、共有の解消は相続不動産の共有を解消する前に確認することをご覧ください。
5. 借地権の相続税評価と、売ったときの税金
借地権は、相続税の課税対象です。評価のしかたと、相続後に売ったときの税金を分けて整理します。
相続税評価は「自用地の価額×借地権割合」
国税庁によると、借地権の価額は、土地を更地とみた価額(自用地としての価額)に借地権割合を掛けて求めます。借地権割合は地域ごとに決まっていて、路線価図ではAからGの記号で示されます。
| 記号 | A | B | C | D | E | F | G |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 借地権割合 | 90% | 80% | 70% | 60% | 50% | 40% | 30% |
たとえば、自用地としての価額が4,000万円、借地権割合がD(60%)なら、借地権の評価額は4,000万円×60%で2,400万円です。路線価がない地域は、評価倍率表で確認します。
定期借地権は計算方法が違い、残りの期間などをもとに評価します。単純に借地権割合を掛けるだけでは決まらないので、税理士に確認してください。
小規模宅地等の特例は借地権にも使える
国税庁の案内では、小規模宅地等の特例の「宅地等」は「土地または土地の上に存する権利」をいいます。借地権も対象に含まれます。
亡くなった人が住んでいた借地を、要件を満たす親族が相続すれば「特定居住用宅地等」として330㎡まで評価額を80%減らせる可能性があります。配偶者が取得する、同居していた親族が申告期限まで住み続けて持ち続ける、などの要件があります。
特例を使うには相続税の申告が必要です。申告期限は、相続を知った日の翌日から10か月以内です。詳しくは相続税の申告期限で確認できます。
相続した借地権を売ったときの税金
国税庁は、譲渡所得の対象となる資産に「借地権」を挙げています。借地権付きの建物を売って利益が出れば、土地や建物を売ったときと同じく分離課税の譲渡所得として申告します。
| 区分 | 所有期間(売った年の1月1日時点) | 税率 |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 所得税15%+住民税5% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 所得税30%+住民税9% |
所得税には、別に2.1%の復興特別所得税がかかります(令和29年分まで)。相続で取得した場合の所有期間は、原則として亡くなった人が取得した日から数えます。親が長く住んでいた家なら、長期譲渡所得になることが多いでしょう。
相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除も、借地の家で使える可能性があります。国税庁は、特例の対象となる敷地等を「土地またはその土地の上に存する権利」としています。ただし建築時期などの要件があるので、相続した空き家の3,000万円特別控除で確認してください。
6. 相続した借地の実家|5つの選択肢
手続きのめどがついたら、家族で今後の方針を決めます。選択肢は次の5つです。
| 選択肢 | 地主の承諾 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| ① 住み続ける・貸す | 原則不要(建替え・増改築は契約次第) | 地代、更新時期、用途の制限 |
| ② 地主に買い取ってもらう | 地主との合意 | 価格、残置物、地代の精算 |
| ③ 底地と一緒に売る | 地主との共同作業 | 双方の希望額、買主、決済の条件 |
| ④ 第三者に売る | 原則必要 | 承諾料、借地非訟、買主の住宅ローン |
| ⑤ 解体して土地を返す | 地主との合意 | 解体費の負担、保証金の精算 |
① 住み続ける・人に貸す
相続人が住む場合は、地代を払い続け、更新の時期と建替えの条件を確認します。建物を人に貸す場合は、契約に用途の制限がないかを見ます。修繕費や空室、将来土地を返すときの費用まで含めて収支を考えましょう。賃貸の注意点は相続した実家を賃貸に出す前に確認することにまとめています。
② 地主に買い取ってもらう
地主にとっても、土地が完全に自分のものに戻る利点があります。ただし地主に買い取る義務はありません。希望価格と引渡しの時期を示して話し合い、残置物や未払いの地代、保証金を誰がどう清算するかを書面にします。
③ 底地と借地権を一緒に売る
地主も底地を手放したい場合は、土地の所有権と借地権付き建物を同じ買主にまとめて売る方法があります。買主から見ると普通の土地付き建物になるため、買い手を探しやすくなります。代金の分け方を、地主と先に決めておくことが前提です。
④ 第三者に売る|承諾と借地非訟
相続後に借地権付き建物を第三者へ売ると、土地の賃借権を譲り渡すことになります。民法612条により、原則として地主の承諾が必要です。承諾にあたって、承諾料を求められることがあります。
地主が承諾しない場合でも、すぐに売れないと決まるわけではありません。借地借家法19条により、地主に不利となるおそれがないのに承諾しないときは、裁判所に承諾に代わる許可を申し立てられます。東京地方裁判所はこれを借地非訟事件として案内しています。
裁判所は、許可の条件として財産上の給付などを命じることがあります。また、地主が自分で建物と借地権を買い取ると申し出る「介入権」もあります。申立てを考える段階では、弁護士に相談しましょう。
借地権付きの物件は、住宅ローンが使いにくいなどの理由で、一般の買主には売りにくいことがあります。借地権を専門に扱う会社に相談すると、地主との交渉を含めて進め方を示してもらえます。
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相談対象は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県にある借地権付きの物件です。契約書、地代の支払状況、建物登記、地主との連絡状況を整理してから、取扱条件と進め方を確認してください。
⑤ 建物を解体して土地を返す
解体して更地で返す方法は、先に地主との合意を文書にします。解体費を誰が持つか、基礎や塀、庭木をどこまで撤去するか、保証金や地代をどう精算するかを決めます。
契約期間が満了して更新がない場合、借地人は地主に建物を時価で買い取るよう請求できます(借地借家法13条)。先に建物を壊すと、この請求や売却の選択肢を失う可能性があります。解体の契約は、地主や専門家と相談してから結んでください。
自治体の解体補助金を使う場合、借地なら土地所有者の同意が条件になることがあります。たとえば埼玉県熊谷市の「空き家等除却補助金」(上限30万円)は、借地の場合に土地所有者の同意が必要と案内されています(熊谷市の空き家ページ、2026年9月9日確認)。解体の注意点は相続した実家を解体する前に確認することをご覧ください。
7. 借地の相続で起きやすいトラブルと予防策
借地の相続では、地主と借地人の世代が替わることで、それまでの暗黙の了解が通じなくなることがあります。よくある5つの場面と、最初にすることをまとめます。
| 場面 | 押さえるポイント | 最初にすること |
|---|---|---|
| 名義変更料を求められた | 相続による承継には原則不要 | 契約書の条項を確認し、根拠を書面で求める |
| 地代の値上げを求められた | 税金や地価の変動で不相当になれば増減を請求できる(11条) | 根拠と対象期間を書面で受け取る |
| 建替え・増改築をしたい | 契約で制限があれば地主の承諾が要る。合意できなければ裁判所の許可の制度がある(17条) | 契約の条件を確認してから相談する |
| 更新料を求められた | 契約や過去の合意で決まる。法律で一律に決まるものではない | 過去の支払記録と契約書を集める |
| 更新を断られた | 更新拒絶には正当な事由が必要(6条) | 期間満了日を確認し、弁護士に相談する |
どの場面でも、電話だけで合意しないことが大切です。金額や期間が決まったら、書面にして双方で保管します。
地代の支払いは、話し合いの最中でも止めないでください。支払いが止まると、契約の解除を主張される原因になりかねません。地主が受け取りを拒むときの対応は、自己判断せず弁護士に相談しましょう。
8. 相談先の使い分け

借地の相続は、登記・税・契約・売却と論点が分かれます。相談先も論点ごとに選びましょう。
| 相談したいこと | 相談先 |
|---|---|
| 建物の相続登記、未登記の建物 | 法務局の手続案内、司法書士(未登記は土地家屋調査士も) |
| 相続税の評価、小規模宅地等の特例、売却時の税金 | 税務署、税理士 |
| 地主との交渉、更新拒絶、借地非訟 | 弁護士 |
| 売却方法、承諾の取り方、査定 | 借地権を扱う不動産会社・買取業者 |
| 相続放棄 | 家庭裁判所、弁護士、司法書士 |
相談の前に、契約書、土地と建物の登記事項証明書、地代の記録、固定資産税の課税明細書をそろえておくと、話が早く進みます。売却を考えるなら、住宅ローンの残高や修繕・解体の見積りもあると判断しやすくなります。
一都三県の借地権付きの物件なら、借地権を専門に扱う相談窓口があります。地主との連絡を始める前でも、手元の資料と希望の時期を伝えれば、確認すべき条件が整理できます。
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【関連】地域ごとの制度と相談先を調べる
管轄の法務局や解体補助の条件は、実家のある市区町村で違います。1都3県の制度は、都県別のガイドから確認できます。
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- 千葉県の相続と空き家|市区別の制度と相談先ガイド
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- 葛飾区の空き家|相続後の売却・制度と相談先
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- 実家の買取|仲介との違いと、向く家・向かない家の見分け方
よくある質問
借地権を相続するとき、地主の承諾は必要ですか?
相続人が相続で引き継ぐだけなら、原則として必要ありません。民法612条が承諾を求めているのは、賃借権を譲り渡すときだからです。ただし、相続人以外の人に遺贈する場合は、原則として承諾が必要です。
地主に名義変更料(承諾料)を払う必要はありますか?
相続による承継を理由に、当然に払う法律上の根拠はありません。契約書に特別な定めがないかを確認し、求められたら根拠を書面で出してもらいましょう。一方、第三者へ売るときの承諾では、承諾料を求められることがあります。
借地権を相続したら、どんな登記が必要ですか?
土地は地主のものなので、相続人が登記するのは建物です。建物の相続登記は、取得を知った日から3年以内に申請します。登録免許税は建物の固定資産税評価額の0.4%です。
借地権の相続税評価額はどう計算しますか?
土地を更地とみた価額に、路線価図などで示された借地権割合を掛けて計算します。自用地としての価額が4,000万円で借地権割合が60%なら、2,400万円です。定期借地権は計算方法が異なります。
借地権だけを相続放棄できますか?
できません。相続放棄をすると、借地権だけでなく預貯金を含むすべての財産を引き継がないことになります。借地権だけを手放したいときは、相続したうえで地主への売却や返還を話し合う方法を考えます。
まとめ
借地権は相続できる財産です。相続人が引き継ぐだけなら、地主の承諾も名義変更料も原則いりません。やることは、建物の相続登記、地主への連絡、契約内容の確認です。
注意したいのは、相続の後に第三者へ売るときです。この場合は原則として地主の承諾が必要で、承諾が得られなければ借地非訟という手続があります。
相続で引き継ぐ借地には、旧借地法の時代の古い契約が多く含まれます。新しい契約書への署名や、建物の解体を急がないでください。登記は司法書士、税金は税理士、地主との交渉は弁護士、売却は借地権を扱う会社と、論点ごとに相談しながら進めましょう。
一次情報・参考資料
- e-Gov法令検索「民法」第612条・第896条(確認日:2026-09-23)
- 日本法令外国語訳データベース(法務省)「借地借家法」第3条・第4条・第6条・第10条・第11条・第13条・第17条・第19条・第22条(確認日:2026-10-01)
- 衆議院「借地借家法(平成3年法律第90号)」附則第6条(確認日:2026-10-01)
- 国土交通省「定期借地権の解説」(確認日:2026-10-01)
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」第182表(e-Stat)(確認日:2026-10-01)
- 東京家庭裁判所「遺産目録の記載例2(借地権)」(PDF)(確認日:2026-09-23)
- 東京地方裁判所「第1 借地非訟とは」(確認日:2026-09-23)
- 裁判所「相続の放棄の申述」(確認日:2026-10-01)
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(令和7年3月27日更新、確認日:2026-10-01)
- 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-01)
- 国税庁「No.4611 借地権の評価」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-01)
- 国税庁「路線価図の説明」(確認日:2026-09-23)
- 国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-01)
- 国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-01)
- 国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」、「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」、「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-01)
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(令和8年4月1日現在法令等、確認日:2026-10-01)
